五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

大津事故における保育園側の落ち度

 暫く更新が空きました。元々、毎日更新をモットーとするブログではないので、今後も不定期に更新していきます。そして、「二度ある事は三度ある」と身構えていたTwitterスラップ通報ですが、今のところ3回目は来ていない模様です。とは言え、決して油断できる状況ではありませんので、引き続き状況を見守っていきます。

 さて、たまには新幹線以外の事も書きます。

 交通事故ネタは、So-net blog時代に凍結処分を食らう直接の原因となった鬼門ではあるのですが、こういう記事が出てしまうと、やはり黙ってはいられなくなります。

www.j-cast.com

www.kyoto-np.co.jp

 何を以て「落ち度」とするかの定義は色々ですが、取り敢えず保育園側に「交通事故の過失割合」における過失責任がない事について争いはないかと思われます。横断歩道で漫然とスマホを見ながら信号待ちしていた所にもらい事故した所で、歩行者側の過失責任を追及する事は困難だからです。

 しかし、ここまで「保育園に落ち度はない」とばかり繰り返されてしまうと、果たして本当にそう言い切れるのか訝ってしまいます。そして、保育園側の落ち度を考える上で重要な参考資料となるのが、事故現場を撮影したGoogleストリートビューです。

www.huffingtonpost.jp

 事故現場となった大萱六丁目交差点の見取り図は、この記事に載っていました。

www.asahi.com

 大萱六丁目交差点には、歩行者を保護する為のガードレールこそありませんでしたが、一応車道と歩道とを区画する縁石の設置はありました。そして、今回の事故においては、下山真子容疑者が運転していた軽自動車は、この縁石の右側から歩道に侵入し、園児や保育士を跳ね飛ばしています。

 今回、ポイントとなるのはこの縁石です。Googleストリートビューで園児や保育士が待機していた場所は、滋賀県道559号を唐橋東詰交差点方面に南進している車両から見ると、ちょうど縁石の裏側に位置します。交通工学上の精密なシミュレーションを経ないと正しい結論にはならないかも知れませんが、この位置で待機していれば、仮に右直事故が発生したとしても、直進車の速度が縁石で減殺され、或いは進行方向が逸れていた可能性があります。

 そして、今回の事故で園児や保育士が直進車の直撃を受けたという事は、即ち保育士が直進車の歩道への侵入を想定していなかったという事です。これが歩行中の事故であれば、まだ「保育園側に落ち度はなかった」と強弁する事も出来るかも知れません。しかし、今回の事故においては、園児や保育士はあの場所で信号待ちをしていた事が、警察や保育園の発表で明らかにされています。

www3.nhk.or.jp

 もし、Googleストリートビューの画像と同じ場所で信号待ちをしていれば、或いは2名の園児の命は奪われなくて済んだかも知れません。大萱六丁目交差点で発生する様々な交通事故のパターンを想定しても、縁石の裏側に車両が侵入するパターンは他のパターンよりも想定しにくく、今回事故が発生した場所が信号待ちにおいて「最も安全な場所」であったかについては些かの疑問が残ります。そして、この疑問が残る限り、果たして本当に「保育園側には何の落ち度もなかった」と断言できるのかは、改めて批判的に検証する必要があります。

 繰り返しますが、今回の事故における保育園側の過失割合はゼロです。しかし、縦令過失割合がゼロだとしても、交通事故でより重大な損害を受けるのは100%歩行者の方なのです。だからこそ、「落ち度はなかった」と思考停止に陥るのではなく、より安全な選択(或いはより被害を軽減できる選択)を常に追求すべきなのです。そして、保育園児が自らその選択を行う事が難しいからこそ、園児を散歩させる時は保育士により重大な選択責任が課せられるのです。この事は、行政(道路管理者や公安委員会)に道路環境の改善を求めるのと同時に、歩行者への意識啓蒙も進められるべきでしょう。