五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

「緊急事態宣言」の先に見える焦土

 約10ヶ月ぶりの投稿です。この間、私事では色々とあった訳ですが、それでもブロハラに手を出さなくて済んだのは、単にTwitterのアカウントが再凍結を食らわなくて済んだだけなんですよね。まぁ、こんなオメガツイッタラーに粘着する物好きもそんなにいなかったという事でしょうが。

 さて、親が死んでも更新しなかったブロハラを更新しようと思ったのは、いよいよ首都圏で新型コロナウイルスに係る緊急事態宣言が発出されたからです。

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 既に、各所では外出自粛要請に基づく営業の自粛等が広く行われており、今回の緊急事態宣言によって直ちに何等かの影響が発生するとも思えないのですが、思想の左右に関係なく「緊急事態宣言の発令が遅すぎる」という声が聞こえてくるのが、私には不思議でなりませんでした。恐らく、「緊急事態宣言が発令されれば休業補償も出るはず」という甘い見込みだったんでしょうが、これは安倍首相自らの答弁により全面否定されてしまいました。

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 要するに、営業自粛を求められた事業者は、完全な自己責任において緊急事態宣言の解除を待つしか無くなった訳ですが、ここで問題となるのがその解除の時期です。一応、新型インフルエンザ等対策特別措置法平成24年法律第31号)第32条第1項の規定で緊急事態宣言を無期限に発出する事が出来ないから「取り敢えず1ヶ月」と言っているだけの話であり、ゴールデンウィークと同時に新型コロナウイルスの感染拡大が終息するなどという保証は何処にもありません。そんな状態で緊急事態宣言を解除してしまったら、それこそオーバーシュートで医療崩壊を招くだけです。

 となると、今後どのような形で社会が推移していくかを考えるに当たっては、事態が収束するまで緊急事態宣言が継続する事を前提とすべきなのですが、個人的には以下の3つのパターンがあるように思います。

  1. 新型コロナウイルスのワクチンが普及し、真の意味で終息(撲滅)が実現する。
  2. 対症療法が進化し、新型コロナウイルスによる致死率が通常のインフルエンザと同程度まで低下する。
  3. 現在の外出自粛が恒常化し、経済活動自体が大きく変化を迫られる。

 一番望ましいのは1なのですが、これは非現実的です。抑も、人類が撲滅に成功した感染症天然痘が最初にして最後の存在*1ですし、インフルエンザですら撲滅には至っていないのですから、新型コロナウイルス感染症の撲滅など夢のまた夢です。ワクチンの開発には年単位で時間が掛かりますし、それが発展途上国を含む全世界に普及するのは更に数十年単位で時間が掛かります。新型コロナウイルスの撲滅宣言が発表される頃には、現在の現役世代は軒並み鬼籍に入っている事でしょう。

 となれば、セカンドベストとなるのは2ですが、これも実に疑わしい所です。若年者の重症化さえ抑止できれば、仮に感染が拡大しても数日間の静養で快復し、現在のような外出自粛までは求められなくなるかも知れません。しかし、医療技術がそこまで進歩するのを待つには、やはり年単位の時間を要する訳ですし、仮にそんな技術が確立されたとしても有吉弘行がテレビCMで「コロナでも、絶対に休めないあなたへ」とか言い出す未来しか見えません。


有吉弘行さん出演 エスタックイブファインEX CM「2016車」篇【エスエス製薬】

 そうすると、今回の緊急事態宣言が行き着く先は、3の「外出自粛の恒常化」という事になりそうです。幸か不幸か、日本人はこの手の自粛要請を比較的遵守しますから、数ヶ月も自粛していれば完全に慣れてしまいます。そうなると、政府としても「緊急事態宣言自体は解除しつつも、引き続き不要不急の外出の自粛を要請する」という法的根拠なき外出自粛を要請しやすくなります。その結果、日本で何が起こるかと言えば、不要不急の外出を前提とするあらゆるビジネスが絶滅する事になります。

 既に、個別の休業補償が否定されている時点で不要不急とされた業種は軒並み風前の灯になっている訳ですが、現在の外出自粛が恒常化し、そうした業種が社会生活に存在しない事が当たり前になってしまえば、最早復活の目はありません。そして、そうした「不要不急の業種」は、既に東京都によってフィルタリングが完了しています。

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 現在、国と東京都との間で細部の調整が行われているようですが、少なくともこの調整によってカラオケやナイトクラブが休止要請から除外される事は100%あり得ませんから、今週中にも東京都から発表されるであろう休業要請は、カラオケやナイトクラブを始めとする対象業種への事実上の廃業勧告と見るべきです。

 勿論、これは麻雀を趣味とする私にとっても決して他人事ではありません。今回の営業自粛要請では、間違いなく麻雀店(雀荘)も対象業種に含まれますから、緊急事態宣言が有効な間は、オフラインで麻雀を打つ事も事実上不可能になります。そして、多くの雀荘は経営基盤が脆弱ですから、外出自粛が長期化する間に、多くの雀荘が閉店・廃業を余儀なくされるものと思われます。

 ブロハラを等閑にしている間に、色々と麻雀関係の活動を増やしていた私ですが、極めて悲観的かつ現実的な見立てをすると、私が行った事のある雀荘の最低でも半数以上は、今回の緊急事態宣言を機に二度と行く事が出来なくなるものと考えています。それと同時に、私がお会いした事のあるプロ雀士についても、やはり半数近くは廃業(プロ団体からの退会)を余儀なくされるものと考えています。個人的に応援したい雀荘プロ雀士は少なからずありますが、一個人に過ぎない私の力では到底及ぶ所ではありません。今は、ただ「なるようにしかならない」と観念し、自分が出来る事をやり続けていくしかありません。

 こんな時だからこそ、私が今でも心に刻み込んでいるこの言葉を以て、この記事を締めようと思います。

人は 生きていればいい…

生きていれば 天は新しい仕事を与えてくれる

 この言葉は、吉田聡の漫画『ZENITH』に出てくる山の神のものです。

 

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 感染拡大の終息が見えない以上、「いつかまた」などという無責任な言葉は使いたくありません。でも、目の前に開けた道こそ、自分に与えられた仕事だと思うしか、今はありません。麻雀はできなくなるかも知れませんが、それで自分が死ぬ訳ではありません。だからこそ、今は行動を早まらないよう、自制して欲しいものです。

*1:ヒト以外の感染症であれば牛疫もありますが。