五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

日本の民主主義は死んだのか?

 そういえば、昨日の日刊ゲンダイの見出しに、「この国の民主主義は死んだ」とデカデカと書かれていました。まぁ、所詮日刊ゲンダイですから話半分に読んでおけばいいのですが、やはり「民主主義は死んだ」という文言が気に掛かります。曲がりなりにも有権者の3人に2人が投票した選挙の結果をして、「民主主義は死んだ」と言える道理がよく分かりません。

投票率、67.51%に・小選挙区

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20050912AT1E1200912092005.html

 自民党圧勝・民主党壊滅は、紛う方なく日本の民主主義の決定です。この結果を以てして民主主義の死亡を謳うのであれば、それは最早選民思想への懐古でしかありません。「愚民は投票するな」などと言い出せば、それこそ民主主義の死亡であり、自民党政権を忌み嫌う人間が毛嫌いする「戦前ファシズム」への逆戻りになってしまうのです。
 強いて民主主義の死亡を謳うのであれば、今回の選挙を見るまでもなく、最初から日本には民主主義など存在しなかったと言うべきです。抑も、日本には政権選択と人気投票との区別が付かない愚民しか存在しなかったのであり、そんな愚民に選挙権を与えればまともな政権選択など行われるはずもないのです。そこには、各政党や立候補者の政策を吟味する機会も能力もなく、単にイメージ戦略のみが選挙の結果を左右する人気投票があるのみです。
 とは言え、海外の選挙戦略を見た所で、やはり争点の単純化やイメージ戦略の強化は重要な戦術になっていますし、実際に欧米の先進国ではそうした選挙戦略が当たり前のものとして受け入れられています。近代の民主主義においては、良民も常民も愚民も等しく1票の投票権を持つのが常識となっていますから、如何に愚民を取り込むかという戦術は選挙戦略において非常に重要となっていますし、良民や常民だけを相手にした選挙戦略では片手落ちと批判されて当然です。ましてや、こんな所で「愚民が悪い」などと言い出すようでは、それは最早負け惜しみを通し越して近代民主主義の否定に他なりません。
 取り敢えず、民主党は現在の日本に不要であるというのが、日本の民主主義が出した結論なのです。その結論を真摯に受け止め、大人しく身を退く事が出来ないというのであれば、最早日本に存在する資格はありません。支那でも北朝鮮でも、好きな所に行って下さい。