五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

自転車にも積極的に赤キップ

 という事で、その自転車絡みのニュースです。

○自転車の交通違反、いきなり“レッドカード”へ

○“大目”が大目玉に!酒酔い運転、信号無視…自転車でも罰金刑

○自転車の違反にも切符がきられます

http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20060406-15799.html

 恐らく、共同通信か何処かのニュース配信会社からの提供を受けているんでしょうが、3つが3つとも文面がそっくりっていうのは何事なんでしょうかね。しかも、こんな大チョンボまでそっくり同じです。

 自転車は道交法で「軽車両」とされているが、駐車違反など比較的軽い違反をして切られる交通反則切符(青切符)が約40年前に導入された際、違反件数が少ないことなどから対象にならなかった。

 自転車が青キップの対象にならなかったのは、違反件数が少なかったからではなく、自転車に運転免許制度が存在しなかったからです。交通反則通告制度は、自動車などの運転免許制度と一体不可分ですから、運転免許制度が存在しない軽車両の交通反則については、青キップを発行しても実効性が殆どないんですね。どのくらい笊法になるかは、千代田区の路上喫煙禁止条例を見れば分かる事でしょう。

千代田区の歩きたばこ禁止条例から1年

http://www.tokyo-np.co.jp/miyako-np/main/main031024.html

 過料2,000円ですら20%の未納率なんですから、自転車の場合なんか考えたくもありませんね。やはり、自転車の交通違反をきちんと取り締まるには、自転車運転免許制度の導入及び自転車に対する青キップの発行が必要不可欠であると言えるでしょう。



 とはいえ、自転車に対する取り締まり強化そのものについては、私はほぼ全面的に賛成します。こんな事を言い出すとまた@SCiさんに怒られそうですが、現状の運用においては、同じ交通違反でも自転車の場合は実質的にお咎めなしであり、原付利用者や自動車利用者との関係で見れば非常に不公平です。言うまでもなく、道路交通法は道路上を通行する全ての人に対して適用されるものであり、自転車や歩行者とて決して例外ではありません。自転車のみならず、歩行者の交通違反*1についても、自動車や原付に対するそれと同様に厳しく検挙して欲しいものです。
 しかし、単に「取り締まり強化」と言ってしまうと、それは警察官の検挙ノルマ強化だけに終わってしまい、理不尽な取り締まりが横行する原因ともなってしまいます。道路交通法の適正な運用の為にも、交通違反の取り締まり強化に当たっては、以下の3点が徹底される必要があるでしょう。

  1. 自転車・歩行者に対する交通ルールの明確化及びその周知徹底
  2. 反則金収入の財務省への付け替え
  3. 警察官に対する検挙ノルマ設定の禁止

 当面の間、自転車や歩行者に対しては、反則金が発生する青キップではなく、罰金が発生する赤キップが発行される事でしょうから、反則金収入を狙った各都道府県警察の「騙し討ち」は発生しない事でしょう。とはいえ、交通違反の検挙を「道路交通安全への寄与」ではなく「反則金稼ぎ」と考えている内は、警察やその受託業者が適正な取り締まりなど出来るはずもありません。この部分で意識改革が為されない内は、どんな取り締まり強化も「ドライバーいじめ」「サイクリストいじめ」と取られる事でしょう。

*1:信号無視や道路上での寝そべりは、歩行者であっても罰金の対象になります。