五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

スターフライヤーに真夏のカンフル剤

 という事で、ここからはいつものニュースです(つ´∀`)つ

○8月搭乗実績について

http://www.starflyer.jp/starflyer/press/press_20060905.html

 おおっと、3月以来の月間70%超え……と思ったら、73.3%っていうのは昼間便だけの数字なんですね。トータルでの搭乗率は69.0%と、やはり70%を下回っています。言うまでもなく、SFJ71/92便が大きく足を引っ張った結果なのですが、それでも前月比で+16.4%なんですから、需要低迷に苦しむスターフライヤーにとっては、カンフル剤程度の効果はあった事でしょう。やはり、8月が全国的な民族大移動の期間であるという事を改めて思い知らされますね。
 さて、世間ではこれから秋の行楽シーズンを迎える訳ですが、これに乗じてスターフライヤーが高搭乗率を確保できるかとなると、些かの疑問が残ります。というのも、8月における民族大移動は故郷への帰省ラッシュがメインですが、9月から11月までの行楽シーズンは、帰省云々とは関係なく観光目的での航空機利用が増える為です。つまり、9月以降の高需要期というのは、8月のそれとは異なり、必ずしも旅行しなければならないというものではないのです。その事は、8月と9月とで割引運賃の種類や価格を比較してみれば一目瞭然でしょう。黙っていても旅客がやってきてくれた8月とは異なり、9月以降は弾力的な運賃設定で積極的に旅客需要を喚起しなければならないのです。
 こうなった時、スターフライヤーは他の航空会社に比べて極めて不利です。羽田空港近辺はいざ知らず、新北九州空港近辺にはめぼしい観光資源が存在しないからです。全国的に路線展開している大手航空会社のJALANAは別段、AIR DOスカイネットアジアは就航地後背に豊潤な観光資源が存在しますし、スカイマークも運航路線を幹線に絞る事によって観光資源へのリーチを確保しています。ところが、北九州空港以外に就航地を持たないスターフライヤーの場合、空港から手近な所には観光資源がなく、漸く観光資源に有り付けたと思ったらそこは他空港の勢力圏だったりするのです。
 勿論、スターフライヤーは就航から半年も経たない「ニューフェイス」ですから、近接地域の観光地へ向かおうとする旅客が「話のタネ」程度に利用する可能性は否定できません。しかし、スターフライヤーの運賃設定が競合他社に比べて圧倒的に優位であるのでもなければ、新北九州空港の立地が他空港に比べて極めて優位であるのでもありません。無為無策のままこうした「一見さん」を迎え入れた所で、却ってスターフライヤー新北九州空港の悪評が広まるばかりです。
 となると、頼みの綱となるのは北九州発着のビジネス需要なのですが、それがどれだけスターフライヤーの利用実績を押し上げてくれるかとなれば、やはり大した期待は出来ません。ビジネス需要は、閑散期にも安定した利用が見込めるものの、繁忙期だからといってその利用が増える事もありません。そして、スターフライヤーの「安定したビジネス需要」がどの程度のものかと言えば、7月までの利用実績が雄弁に物語っています。昼間便に限っても搭乗率が60%を超えない程度というのが、スターフライヤーの実力であり、新北九州空港の限界でもあるのです。