五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

コミケット代表の米沢嘉博氏が死去

 53歳の若さでした。

○マンガ評論家の米沢嘉博さん死去 コミケ代表長く務める

http://symy.jp/?M-Iウェブ魚拓+ウェブ精米)

 ここ数年、コミケから足が遠退いていた私ですが、まさかこんな事になっているとは思ってもみませんでした。自室整理で大量の同人誌やコミックマーケットカタログを発掘したその日に没するとは、何かの皮肉な運命さえ感じます。
 米沢嘉博氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。



 さて、安田かほる筆谷芳行市川孝一の3氏による共同代表となったコミケットですが、今後は次第に規模が縮小していくものと思われます。というのも、コミケがこれだけ大規模になった背景には、少なからず米沢嘉博氏のカリスマ性が存在するからです。カリスマを失ったコミケは、惰性走向で暫くは現状を維持していく事でしょうが、遠からず「普通の同人誌即売会」に接近していく事でしょう。
 更に言うなら、Web2.0時代の到来により、必ずしも同人誌のみが一般人における表現の場ではなくなってきたという事も重要です。特に、文章系・論説系のサークルにおいては、コスト面・即応性・読者獲得などのあらゆる範囲において、同人誌よりもホームページやブログの方が優れてきています。私自身、文章系サークルを主宰する意欲を喪失した人間の1人であり、日々こうして駄文を書き散らしています。
 今後、インターネットによる創作活動はどんどん普及していく事でしょうから、同人活動におけるコミケの唯一無二性は徐々に失われていきます。その結果、コミケは「同人活動のメッカ」から「大規模な同人誌即売会」へと変貌していき、或いはそれと同時にコミケの商業化も進んでいく事でしょう。先鋭的なマニアやオタクがその居場所を失い、大手サークルや企業スペースが圧倒的大多数となった時、コミケは新しいステージへと踏み出していくのでしょう。米沢嘉博氏の死去は、コミケの進化を加速させる、その大きなきっかけになるかも知れません。