五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

つくばエクスプレス乗り初め

 そんなこんなで、本日開通したつくばエクスプレスに早速乗ってきました。但し、徹夜してまで一番電車に乗ってきたという事ではなく、会社帰りにふらりと秋葉原に立ち寄っただけなのですが。一応、何枚か写真は撮りましたので、機会があればこのブロハラで紹介したいと思います。


○新装オープン

 秋葉原で山手線を降り、新装間もない中央口を出ると、早速つくばエクスプレスの案内看板です。人通りに従ってつくばエクスプレスの駅入口から階段を暫く下りていくと、広いメインコンコースが目に入ってきました。19時過ぎという事もあってか、流石に行列こそ出来ていませんでしたが、それでもかなりの人集りで、多くの人がデジタルカメラや携帯電話で写真撮影していました。
 自動売券機*1は、開業初日の乗車券を購入しようという向きが多いのか、長蛇の列が出来ていました。一応、つくばエクスプレスパスネットに加盟していますので、単に乗るだけであれば、わざわざ乗車券を購入する必要はありません。しかし、つくばエクスプレスパスネットとを結び付けられる人が少なかったのか、意外とパスネット利用者は多くなかったようで、自動改札機付近では駅係員が入場証明書を配布していました。この証明書を降車駅窓口に持参して、秋葉原からの運賃を精算して欲しいとの事です。私も、この入場証明書を利用して、ホームへと下りていきました。
 最近開通した地下鉄の例に漏れず、つくばエクスプレス秋葉原駅も地下深くにあります。エスカレーターを2つ乗り継ぎ、都営大江戸線と同じくらいの深度はあろうかというホームに降り立つと、思いの外混雑は激しくありませんでした。唯一個所、つくば方ホーム先端を除いては。コンコースにしろホームにしろ、如何にも西新宿のしんちゃんが目指している「近未来の先端情報都市」っぽい仕上がりになっていましたが、鉄ヲタが屯するつくば方ホーム先端だけは、西新宿のしんちゃんが目の敵にしている「アキバ系」そのものの光景でした。東京メトロ南北線と同様、決してホーム幅は広くないだけに、鉄ヲタの集団が醸し出す雰囲気はより一層濃いものとなっていました。


○入線から出発まで

 さて、私が乗ろうとしたのは、19:10発の快速つくば行きです。他の鉄ヲタと同様、折角の乗り初めなので私も運転席真後ろでのかぶりつきを狙う事にしました。しかし、既に私の前には8人もの鉄ヲタが並んでいて、全員がかぶりつきを狙っていそうな雰囲気です。そして、19:04に電車が入線しドアが開くと、案の定全員が運転席真後ろに移動しました。通常、始発駅での行列は全員が着席を狙いに行くものですが、ここは流石鉄ヲタ、誰一人として座席には目もくれません。その結果、座席には空きが目立つのに、運転席真後ろだけは異常な混雑という、正しいアキバ系列車の様相を呈していました。まぁ、私もその異常な鉄ヲタの1人なんですけどね。
 19:10、定刻通りに秋葉原を出発した快速つくば行きは、真新しい複線シールドトンネルを直走ります。つくばエクスプレスの快速は、北千住までは各駅に停まります。途中、新御徒町や浅草、南千住などの各駅では、如何にもといった感のある鉄ヲタから、「銀箱」という単語の存在すら知らなさそうな女子高生やオバハン連中まで、手に手にカメラや携帯電話を持って、入線する電車に向けて一斉にシャッターを切ってきました。これも、新線ならではの光景でしょう。


○怠惰な高速運転

 北千住を過ぎると、いよいよ通過運転の開始です。都心部でのくねくねした線形からも解放され、つくばエクスプレス自慢の130km/h運転に突入です。私の背後にいた小学生などは、「おーっ、すげえ速ええ!」などと驚いていましたが、かぶりつきの鉄ヲタ組は、私を含めて至って冷静そのものでした。関東近郊でこそ、130km/h運転というのは非常に珍しいものですが、北海道や九州に行けば130km/h運転なんてのは至って普通に行われていますし、関西に至っては新快速ですら130km/h運転です。開業初日にわざわざかぶりつこうなどという鉄ヲタの大多数は、JR西日本の新快速でかぶりついた経験がある事でしょうから、それほど大きな感動はなかったのでしょう。
 しかし、その事を差っ引いて考えても、やはりつくばエクスプレスの130km/h運転は、私にとっては何等感動の対象となるものではありませんでした。寧ろ、その剰りにも恵まれた線形に対して、130km/hという最高速度は些か手抜きですらあるようにも思えました。日没後の乗車で、周囲の景色が余りよく見えていなかったというのが、その怠惰な雰囲気を助長していたのでしょう。
 んなもんで、130km/h運転をかぶりつきながら、「これ、北越急行の681系2000番台やJR四国の8000系を持ち込んだら、さぞかし快適に飛ばすんだろうなぁ」とか「京急にやらせたら、とことん160km/hオーバーで攻めるんだろうなぁ」とか、下らない事を考えていました。実際、線形的には130km/h程度では余裕綽々で、最低でも160km/h以上は出さないと折角の高規格路線が役不足になってしまいそうです。アニマル浜口ではありませんが、130km/h運転という剰りの不甲斐なさに、かぶりつきながら思わず「気合だー!!」と連呼してしまいそうでした。


○人知れず直交切替

 話は一気に飛んで守谷です。夜間だと、住宅地を走っていようが田園地帯を走っていようが、車窓の変化には全然気付かないものだったりします。その為、利根川を渡ったという実感なく、気が付けば茨城県に足を踏み入れてしまっていました。
 守谷を出発すると、車両基地への引き上げ線と別れた後、直交切替区間に差し掛かります。八郷町に気象庁地磁気観測所がある為、この近辺では直流鉄道の存在は許されません。つくばエクスプレスも、守谷以北では交流電化を余儀なくされ、これから差し掛かるデッドセクションで電化方式を切り替える事になります。
 相変わらず、電車は130km/h運転を続けています。すると、「直交切替」と大書された看板が目に入り、暫くするとデッドセクションを示す標識を通過しました。電車は惰行運転にこそなりましたが、リレースイッチがカチカチ鳴ったり、ましてや車内の照明が一瞬消えたりする事などなく、普通に交流電化区間に突入し、気が付けば再加速を開始していました。かぶりつきの鉄ヲタでもなければ、余程直交切替を意識していない限り、このデッドセクションの通過には気付かない事でしょう。営団2000系やJR415系の時代に比べれば、電車も格段に進歩したものです。


○あっという間の45分

 19:55、定刻通りつくばに到着しました。秋葉原を出てからたったの45分、もうつくば市内にいるという事が、自分でもなかなか信じられませんでした。私は、中学・高校時代を筑波大学の附属校で過ごし、大学での教育実習も筑波大学の学生と一緒に行った為、「つくばが東京からどれだけ遠いか」という事は、肌の感覚で知っています。そのつくばが、今日からは電車でたったの45分です。アルバムCD1枚聴いている暇すらありません。いやはや、便利になったものです。
 因みに、運転席真後ろにかぶりついていた鉄ヲタは、北千住で脱落した1名を除き、全員が秋葉原からつくばまで完走しました。1号車に乗り合わせた人々は、我々鉄ヲタをさぞかし奇異に見ていた事でしょう。まぁ、つくばエクスプレスに女性専用車が設定される9月1日までの辛抱です。ガンバッテクダサイ。

*1:世間一般には「自動券売機」と言うようですが、漢語文法に則れば、明らかに「売券機」が正解です。