五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

駒大苫小牧の許されざる暴力体質

 本日の最後は、航空とは関係ないニュースです。

駒苫V2報告会中止し部員から事情聴取…センバツ不参加も

http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200508/bt2005082412.html

 私は、こんなの優勝取り消しで大いに結構だと思っています。と言うよりも、優勝取り消しくらいでは甘過ぎで、向こう5年間の対外試合禁止くらいの処分が適当でしょう。部内暴力を放置していたのみならまだしも、その事実を学校が把握していながら隠蔽していたというのですから、駒大苫小牧の組織マネジメント能力に致命的な欠陥があると言わざるを得ません。剰え、今大会では明徳義塾が大会直前に出場辞退という出来事も合ったのですから、これで駒大苫小牧についてはお咎めなしというのでは、不公平にも程があります。



 ここで、駒大苫小牧の優勝取り消しに対しては、以下のような反論がある事でしょう。

  • 問題を起こしたのは、選手ではなく指導者であり、何の責任もない選手が優勝取り消しという形で責めを負うのはおかしい。
  • 駒大苫小牧への処分は、暴力行為を行った個人への処罰のみに留め、駒大苫小牧全体への連帯責任を適用すべきではない。
  • 抑も、野球部長の行為は「暴力行為」ではなく「教育的指導」であり、処分などを持ち出す方がおかしい。
  • たまたま暴力行為が発覚した駒大苫小牧だけを処分するのは不公平であり、優勝取り消しなどの処分を下すのであれば、他の全参加校についても徹底的な調査を行うべきである・

 しかし、私はこれらの意見には一切与しません。野球部長の行為を「暴力行為」と呼べるのかどうかの問題はありますが、傍から見れば、暴力沙汰が発覚したのが駒大苫小牧という組織であれば、甲子園で頂点に立ったのも駒大苫小牧という組織なのです。
 確かに、暴力行為と甲子園での野球とは、それぞれ行為者が異なりますし、当然にしてそれぞれの罪責も異なるでしょう。しかし、甲子園で頂点に立ったのが選手各人の力によるものとはいえ、駒大苫小牧という組織なしには選手は活躍の場を持ち得なかったのですし、或いは甲子園での活躍を夢見て駒大苫小牧の門を叩いた生徒もいる事でしょう。その限りにおいて、駒大苫小牧という組織と選手各人とは一体不可分なのであり、それ故に駒大苫小牧は連帯責任を問われるべきなのです。

天は罪を憎まない。
罪がバレるマヌケさを憎む。

 これは、その昔立川談志が言った事です。まぁ、ウルトラ意訳すれば「バレなきゃセーフ」という事ですが、逆に言えば「バレたらアウト」なのです。明徳義塾にしろ駒大苫小牧にしろ、正に「バレたらアウト」そのものです。しかし、マスゴミで問題にされている両校の「罪」は、決して部員や野球部長の暴力行為そのものではなく、そうした暴力行為を露見させてしまう組織マネジメント能力の低さであり、マスゴミに餌を与えてしまう脇の甘さなのです。だからこそ、マスゴミの批判の矛先は、野球部長個人ではなく、駒大苫小牧という組織に向かうのであり、その結果として優勝取り消しなどの処分が取り沙汰されるのです。
 それでもなお、「優勝取り消しは、甲子園で努力した選手達にとって、剰りにも酷である」とする向きはあるでしょう。しかし、彼等が社会に出れば、同種の理不尽な連帯責任など幾らでも存在します。他人のミスのケツをテメエで拭かされるなんてのは日常茶飯事ですし、企業内の特定個人の行為が企業全体へのレッテル貼りに用いられるのも通例化しています。それがいい事か悪い事かは関係ありません。現実として、そうした連帯責任は日本社会に確実に根付いているのです。どうせマントラの如く「教育の一環」を唱えるのであれば、ここで下すべき処分は決して温情采配などではなく、寧ろ徹底的に駒大苫小牧を痛め付けるものであるべきです。そうすれば、駒大苫小牧の生徒にとってもそれ以外の生徒にとっても、いい社会勉強になる事でしょう。
 ここで、「密告で発覚した不祥事による連帯責任は、学校の隠蔽体質や密告制度を助長する」と、連帯責任に否定的な考え方はあるかも知れません。しかし、私は隠蔽・密告とも大いに結構だと思っています。これからの情報社会においては、隠蔽も密偵も情報スキルとして非常に重要になりますし、少なくとも企業人においては現に求められている能力ですらあります。抑も、喫煙だの暴力だのという行為自体、決して許されるものではないのですから、これらの密告は寧ろ大いに推奨すべきです。しかし、全国全ての高校の不祥事を逐一洗い出す事など物理的に不可能なのですから、「発覚した所から処分する」という方法は致し方ないでしょう。そして、そういう方法を取る以上、対内的な不祥事の把握及び対外的な情報のコントロールといった組織マネジメント能力は、野球そのものの実力と同じくらい重要にならざるを得ないのです。



 今回、駒大苫小牧暴力事件で高野連の矢面に立っているのは、毎日新聞の「原爆は広島だけのこと」報道で一躍有名になった、あの田名部和裕です。黙祷問題の時と同じく、今回も駒大苫小牧に対してその辣腕を思う存分振るって欲しいものです。水に落ちた犬を全力で沈めてこそ、私は「如何にも高野連っぽいなぁ……」と納得するのです。
 ……えっ、田名部和裕は「この場でみんなを巻き込むのは良くない。」と連帯責任には否定的だって?
 (∩゜д゜)アーアーきこえなーい

【2005-08-26 追記】
 例によって、ブロゴスフィアでは駒大苫小牧の優勝取り消しには否定的な意見の方が圧倒的に多いのですが、2つばっかし、私と同じく優勝を取り消すべきだとするブログがあったので、ここに紹介しておきます。

○僕はまだ生きてるよ。: 駒大苫小牧高校の野球部長による暴力問題

○エム氏の独り言: 駒大苫小牧高校野球部の不祥事

http://emu.happy.nu/blog/emu/index.php?UID=1124796363

 しかし、こういう時に「水に落ちた犬を徹底的に叩いて沈める」っていう流れは、何だかSo-net blog時代の二の舞のような……。でも、だからといって自分の信念を枉げるワケにも行きませんからね。

【2005-08-26 追記】
 優勝取り消し賛成派ブログをもう1つ見付けましたので、追加致します。

○空から、海から、文庫から: 北海道新聞を読んでの個人的考察

http://littletern.way-nifty.com/soraumibunko/2005/08/post_16af.html

 まぁ、新千歳空港国際線ターミナルを自市内に建設しろとか言っている苫小牧市の事ですから、駒大苫小牧の優勝取り消しについても歯切れの悪い見解しか出来ないんでしょうけどね。