五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

石垣空港のマッチポンプな老朽化

 この記事は、のぞみくんに紹介して頂きました(つ´∀`)つ

石垣空港の老朽化深刻 コンクリ落下、ひび割れ

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-11652-storytopic-1.html

 別に、これを補修する事自体、決して困難な事ではありません。では、何故その補修が遅々として進まないかというと、石垣市「現空港に投資したら新空港の事業正当性を否定される」というパラノイアがあるからです。特に、新石垣空港石垣市にとっての*1悲願ですから、その事業推進にマイナスとなりかねない要素は1つでも排除したいのでしょう。特に、新石垣空港石垣空港の惨状を無視して建設に反対するバカな外野が多過ぎますから、このパラノイアもなおさらでしょう。
 とはいえ、最低でも7年から8年は現石垣空港を使わざるを得ないのですから、その間の安全性・快適性の維持向上については、沖縄県石垣市、或いは国土交通省は、最大限の努力をする義務があります。新石垣空港推進派の中には、「反対派の連中に新石垣空港の必要性を理解させる為には、もう1回くらい事故でも起こってくれた方がいい」などと過激な事を宣う輩もいますが、こんな必要性の説明は外道の最たるものであり、事故に頼らずとも新石垣空港の必要性が理解されるよう努力するのが筋というものです。確かに、青函トンネルにしても瀬戸大橋にしても、鉄道連絡船の沈没という痛ましい事故がプロジェクト推進の大きな原動力となった事は否定できません。しかし、そこで人柱とされる乗客や乗員にとっては堪ったものではありませんし、そういう事故を予防する根本的な対策としてこそ、これらの大型プロジェクトはその存在意義を有するのです。
 幸い、新石垣空港には、現石垣空港の利用実績という大きな宣伝材料があります。年間186万人もの利用者数は、国内の第三種空港で最も多い数字であり、下手な第二種空港よりも余程多い基礎需要が現に存在するのです。

○12年連続で過去最高を更新/石垣空港05年実績

http://www.y-mainichi.co.jp/article.php?id=3367

 新石垣空港反対派には、「現在の施設で186万人も捌けているんだから、新石垣空港は必要ないだろう」という向きが少なからずいます。しかし、一度でも石垣空港を利用した事がある人なら分かりますが、石垣空港の運用は滑走路もターミナルビルもアクロバット並みなのです。羽田空港や成田空港が現にパンク状態なのと同様、石垣空港は現時点で既にパンク状態なのであり、186万人という数字は無理に無理を重ねての驚異的な数字なのです。
 ハッキリ言って、石垣空港の惨状を見てしまえば、神戸空港新北九州空港など、贅沢にも程があります。関空2期工事ですら、新石垣空港の前にはその必要性が霞んでしまうくらいです。新石垣空港の建設に反対する向きは、その前に不急不要の新北九州空港に反対の狼煙を上げるべきでしょう。新北九州空港こそ、現空港の有効活用や他空港・他交通手段の利用という可能性を一切無視してでっち上げられた無駄空港です。こんな空港を「西日本の中枢空港に」などと宣う向きが、新石垣空港に異を唱える事など、許されるはずもありません。
 話を新石垣空港に戻しますが、石垣空港の安全対策を実施するに当たっては、その投資が何等新石垣空港の必要性を阻却するものではないという保証が必要でしょう。「たった7年しか使わない」と言ってしまえばそれまでですが、考えようによっては「あと7年も使い続けなければならない」のです。その7年間の安全を買うのだと思えば、ターミナルビルや駐機場の改修くらい、決して高い買い物ではないでしょう。
 それでもなお、石垣市沖縄県が「二重投資」との誹りを恐れるのであれば、ここは国土交通省が先頭に立ってこれらの改修費用を拠出し、以て新石垣空港の事業継続を国として保証すべきです。流石に、国土交通省自らが現空港改修と新空港建設とを同時進行させれば、石垣市沖縄県新石垣空港の事業継続を心配する事もなくなるでしょう。新石垣空港に第三種空港としてのお墨付きを与えた以上、国土交通省はこのくらい積極的に投資すべきです。これ以上、石垣市沖縄県に不安感を抱かせるような事があるのなら、それは偏に国土交通省の行政不作為であるというべきでしょう。

*1:これが「八重山にとっての悲願」ではないというのも、また新石垣空港の難しい所でもあります。実際、竹富島小浜島などに行けば、重要案件は新石垣空港ではなく役場移転だったりします。この辺の足並みの乱れも、新石垣空港の実現が遅れた大きな理由でしょう。