五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

既存空港というまやかし

 いい加減、福岡県民には目を覚まして欲しいものです。

○末吉・北九州市長:新福岡めぐり「まず既存空港活用を」−−市議会委員会で /福岡

http://symy.jp/?Mkkウェブ魚拓+ウェブ精米)

 このニュースは、こんなブログ経由で拾ってきました。

So-net blog:南の北から:新福岡めぐり「まず既存空港活用を」

http://blog.so-net.ne.jp/ero-chan-diary/2006-09-21

 もう何度ブロハラで言及したかは分かりませんが、既存空港を一顧だにしなかった北九州市新福岡空港を批判する資格などないのです。私自身、新福岡空港が必要だなどとは微塵も思っちゃいないのですが、だからといって新北九州空港との機能分担なんて愚論には付き合いたくもありません。新福岡空港と同様、新北九州空港も不要な空港だったのです。
 毎日新聞の記事を読んだだけでも、電球ハゲ末吉興一北九州市長の論理破綻は明白です。

 路線別配置や貨物・チャーター便の集約、早朝深夜便の例を挙げ、複数の空港を目的別に使い分けている欧米の都市を引き合いにして、新空港の検討よりも、福岡と北九州など既存空港が役割分担をする議論を深めるべきだとの考え方を示した。また、福岡空港との連携向上のため、北九州空港へのアクセス鉄道が不可欠と強調した。

 ブロハラ読者の方であれば。ツッコミポイントはたちどころに判るでしょう。

  1. 路線別配置は利用者の不便を招くだけ
  2. 北部九州に貨物・チャーター便の需要は存在しない
  3. 早朝深夜便はマーケティングとして失敗している

 先ず、路線別配置についてですが、幾ら福岡空港のハブ機能が鹿児島空港那覇空港のそれよりも弱いとはいえ、徒に路線別の空港配置を実施しても、関西国際空港中部国際空港の前轍を踏むのみです。果たして、新福岡空港或いは新北九州空港がどんな空港像を描いているのかは不明ですが、リージョナルハブないし内際ハブを目指しているのであれば、路線によって空港を分ける事は愚策中の愚策です。関西国際空港が「国際ハブ空港」として失敗に終わった最大の理由は、大阪国際空港伊丹空港)の存続及びそれに伴う国内線の伊丹志向です。それと同じ失敗を、近畿圏よりも遥かに経済規模の小さい北部九州でやろうというのであれば、悪質なジョーク以外の何物でもありません。現在の福岡空港でさえ、第1・第2・国際という出発ターミナル分断で利用者が不便しているのですから、ここに北九州なんて入れたら悲惨な結末になる事など、福岡空港の利用者であれば誰もが解りそうなものですが。
 次に、貨物・チャーター便についてですが、現時点において福岡空港には貨物便なんて就航していません。チャーター便にしても、福岡空港の発着枠を逼迫させるほどの便数が就航しているのではなく、わざわざ「近隣空港との役割分担」なんてお題目を持ち出す必要はありません。ましてや、その受け皿として4,000億円からの新空港を建設する必要性など皆無でして、「造っちゃったから使ってね」なんていうのは無責任の極みというものです。貨物航空会社の立ち上げがどれだけ難しいものであるかは、ギャラクシーエアラインズが身体を張ったギャグで証明してくれているのですが、新北九州空港盲信派にはなかなか現実が見えていないようです。
 そして、早朝深夜便についてですが、これはスターフライヤーの失敗が全てを物語っているでしょう。SFJ71/92便の廃止は「勇気ある撤退」と評価してもよいでしょうが、SFJ93/70便にしたって、決して褒められたイールドをキープしているものではありません。ましてや、これっぽっちの潜在需要を顕在化させる為のコストとしては、新北九州空港は甚だ不釣り合いというものであり、費用対効果の面で見て大いに非難されるべきです。早朝深夜便の就航によるプライスレスな効果も殆ど出ていない事ですし、いい加減に新北九州空港盲信派も「24時間空港」なんていうマントラは放棄した方がいいでしょう。序でに言うなら、現状でも福岡空港の22時門限はルースに運用されているのですから、既に早朝深夜便の目的は半分以上達成されていると考えるべきです。精々、福岡空港の運用時間を前後30分ずつ拡大できれば、それ以上の早朝・深夜需要は考えるだけ無駄です。
 以上から見るに、福岡空港北九州空港との連携などナンセンスでしかありません。勿論、北九州空港アクセス鉄道なんてのも所詮妄想の範疇でしかなく、予算を付けて検討するだけ無駄というものです。取り敢えず、福岡空港から需要を収奪する事を考える前に、新北九州空港自身が公約した年間283万人という旅客需要を集める所から努力すべきでしょうね。