さて、以前色々と外ウマを張ってみたスターフライヤーのFFPですが、結局「マイル会員制度」なんて野暮な名前ではなく、こんな正式名称が与えられました。
○スターフライヤー・マイレージ・プログラム 「STAR LINK」のご案内
http://www.starflyer.jp/mileage/mileage.html
何処をどう略せば「SLK」になるのかイミフだったりもしますが、本日13:00を以てインターネットからの入会受付を開始した事により、その制度詳細を上記サイトから読めるようになりました。そこで、本日は外ウマと実際との比較を以て、私の予想がどれだけ当たっていたかを反省してみる事にします。
年会費
予想:1,050円(消費税込み)
実際:無料
初っ端から見事に外していますが、これはこれで一安心ですね。一応、スターフライヤーも十人並みにはFFPを理解していたという事です。てっきり、FFPの斜め上を行く展開になるのではないかと思っていましたが、流石に中の人も唯のFFPで年会費は取れないという結論に至ったのでしょう。
取り敢えず、これでスターリンクが会員数不足に陥るという最悪の事態は回避できます。しかしながら、デザイナーズエアラインとして広く認識されている現状を鑑みるに、幽霊会員ばかり増えていくという危険性は決してゼロではありません。会員カードの作成や発送のコストだって決してゼロではないのですから、「会員カードを持たせる」だけでなく、「会員カードを使わせる」営業戦略が欠かせないのは、言うまでもありません。どうせ、スターリンク入会登録に当たって収集した個人情報の価値など郵送料にも満たないんですからね。
マイル積算比率
予想:JALマイレージバンクと同じ
実際:一部格安運賃の積算比率は50%
これも、85%は外してしまいましたね。一応、「運賃種別によるマイル積算比率の差別化」という所までは読み切れましたが、格安運賃を個人包括旅行割引(IIT)と同じ50%にしてしまうのは意外でした。これは、ある意味JALやANAの意向を先取りする施策でもあり、場合によってはJALやANAがバーゲン型運賃のマイル積算比率を50%に引き下げる可能性すらあります。先得割引や旅割のヘビーユーザー*1にとっては、「スターフライヤーが余計な事をしてくれた」という恨み節にもなる事でしょう。
とはいえ、若干ながら存在するスターフライヤー利用ツアーの料金表を見るに付け、スターフライヤーのIIT運賃が早朝・深夜便以外は相当高い水準にあるであろう事はほぼ確実です。運賃と獲得マイルとの相関関係を維持する為には、この50%というマイル積算比率は、寧ろ適正水準であると言う事も出来ます。それと同時に、往復割引並みに高く予約変更も可能なスターQ割が100%積算になるのも至極真っ当な話で、私が何故75%という外ウマを張ったのかが逆にナゾです。
尤も、「運賃ごとの積算率は予告なく見直す場合があります。」という但し書きがありますから、11月以降、STAR28やSTAR LIMITEDなどの売れ行きが伸び悩むようであれば、案外あっさりとIIT以外の運賃が75%積算になるかも知れません。段々とビジネス需要の頭打ちが明確になってきている以上、プレスリリース向けに搭乗率の水増しを図るには、これら格安運賃による弾力的な需要喚起が必要不可欠です。半年間の利用実績で非ビジネス需要への依存性が明確に露呈した以上、75%積算への改定を実施するのであれば、傷口が大きくならない内に実施した方がいいでしょう。
マイルの有効期限
予想:マイル獲得年の翌々年末まで
実際:マイル獲得年の翌々年末まで
( ゚д゚)ビンゴー
何とか、これだけはピタリ的中させました。まぁ、モノカルチャー航空会社であるスターフライヤーが無期限にマイル負債を抱える道理もないので、予想を外す方が難しいくらいです。こんなの、当てても全然自慢になりゃしません。
因みに、ボーナスマイル等を考慮しない場合、往復航空券との交換が可能となる12,000マイルを積算する為には、以下の搭乗回数が必要となります。
- 普通運賃:23回(11.5往復)
- 割引運賃:30回(15往復)
- 格安運賃:45回(22.5往復)
要するに、往復割引や回数券のユーザーであれば3ヶ月に1回、STAR28やSTAR LIMITEDのユーザーであれば2ヶ月に1回、東京=北九州を往復しなければ、獲得マイルが無駄になるという事です。金帰月来の出張族であれば余裕でクリアできる数字でしょうが、単なる観光客や空ヲタにとっては結構厳しい数字でしょうね。勿論、羽田発着の他路線が開設されれば、この限りではありませんが。
以上、私の予想屋としての無能ぶりが明確になっただけの反省会でしたが、それだけ従来のスターフライヤーが斜め上を行っていたという事でもあります。スターフライヤーが「人並みの企業力を持つ航空会社」に成長しようというのであれば、今回のFFP導入は千載一遇の好機でしょう。果たして、STAR LINKが徒にマイル負債を抱えるだけのシステムになるのか否か、それはスターフライヤーの営業力に懸かっているのです。
因みに、今回同時に正式名称が決定したプレミアム会員制度「スターリンク・ベガ」ですが、例によって特典詳細は未公開です。来年1月にもこの制度が本格始動する事になっていますが、果たしてどれだけの優遇を得られるのか、甚だ疑問でなりません。取り敢えず、隣席ブロックはやった方がいいとは思いますが。