五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

ANA・楽天がBTOのフリープランをオンライン販売

 ここからが本題です。

楽天全日空、「宿泊+航空券」を自由に組み合わせる「ANA楽パック」を開始

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20061024/251712/

 恐らく、今年の7月に出てきたプレスリリースが具体化した話なのでしょう。

ANA楽天、国内旅行に関する新会社を設立
〜個人のニーズにあった旅を提案「ANA楽パック」新登場〜

http://www.rakuten.co.jp/info/release/2006/0712_1.html

 今回のANA楽パック登場における最大のポイントは、一般消費者が旅行代理店を経由せずに包括旅行割引運賃を購入できるようになったという事です。従来のオンラインBTOでは、個人向け割引運賃とオンライン宿泊プランとを単純に組み合わせるだけだったのですが、楽天トラベルの宿泊プランを包括旅行の素材として見なせるようになった為、予約・購入条件が旅割や超割よりも緩い包括旅行割引も利用できるようになったのです。正に、ANA楽天との協業効果であると言うべきでしょう。
 なお、見た感じでの注意点としては、以下の通りです。

  1. 手仕舞い日が出発日の10日前ではなく12日前である。
  2. AIR DOのみが運航している路線のANAコードシェア便は利用不可。
  3. マイル積算率は区間マイルの75%ではなく50%*1となる。
  4. 宿泊費は現地払いではなく事前決済となる。

 従来のフリープランや楽天トラベルの感覚でいると、微妙なところで失敗します。ANA楽パックの利用に当たっては、しっかりと約款や旅行条件を確認しておきましょう。



 で、肝心の料金なのですが、私が試しに札幌や福岡の1泊2日で確認してみたところ、両方とも2名1室で1人当たり3万円前後と、旅割や超割の利用に比して極端に安いという程でもなく、店頭販売のフリープランと比べたら寧ろ高いくらいでした。日程から土日を外してみても結果がほぼ同じになった所を見ると、元々の包括旅行割引運賃が高水準に設定されているものと思われます。「ホテルと航空券を別々に手配した場合の半額になる」というのは、恐らく航空券を普通運賃で手配した場合の事ではないでしょうか。
 このANA楽パックが従来のパッケージツアーに比して明らかに優れているのは、宿泊施設の選択肢の広さです。特に、スーペリアクラス以下のシティホテルやビジネスホテルであれば、楽天トラベルの商品構成は並み居る大手旅行会社を軽く凌駕します。逆に、温泉旅館やリゾートホテルというセグメントでは、楽天トラベルの購買力は大手旅行会社に些か劣るのか、商品構成にも余り魅力がありません。現時点では部品にレンタカーを含められない事からして、ANA楽パックは観光客よりもビジネス客向けなのかも知れませんね。
 しかし、同種のサービスをJALでも導入すれば、これはANA楽パックをも上回る一大ムーブメントになる事でしょう。というのも、JALカードツアープレミアムの開始により、実質的に個人包括旅行割引運賃でも区間マイルの100%を獲得する事が可能になったからです。ボーナスマイルやキャンペーンなどで個人包括旅行割引運賃が適用対象外になる事もままありますが、取り敢えずバーゲンフェアや先得割引からオンラインBTOに移行する利用者が少なからず発生するであろう事は間違いありません。

*1:裏は取れていませんが、IT Proの言う「包括旅行運賃」が個人包括旅行割引運賃(IIT)の事を指しているのであれば、この50%という数字になります。AMC会員番号を事前登録できる所からして、どうやらIT5やGTといったマイル積算対象外運賃が適用される事はないものと思われます。