五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

秋田空港で大韓航空機が誘導路に誤着陸

 他に蓄積しているネタもありますが、取り敢えずこのネタから。

○大韓機が誘導路着陸、機長判断ミスか…秋田空港

http://symy.jp/?tDeウェブ魚拓+ウェブ精米)

秋田空港 誘導路に誤着陸 大韓機機長ミスの可能性

http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2007/01/20070107t43007.htm

 続報その他は以下の通りですが、取り敢えず機長はミスを認めたようですね。

○誘導路に誤着陸 大韓機 秋田空港133人乗り

http://symy.jp/?x81ウェブ魚拓+ウェブ精米)

○機長の単純ミスが原因か、大韓機誤着陸 国交省、調査官を派遣

http://symy.jp/?Kkzウェブ魚拓+ウェブ精米)

○韓国人機長ミス認める 秋田空港誤着陸、「雨で視界悪く…」

http://symy.jp/?_nhウェブ魚拓+ウェブ精米)

 過失ではなく故意ではないかというツッコミはさておき、大石英司先生がこんなコメントをしています。

 誤侵入に気付いた後、着陸復航で燃料を無駄遣いしたくなかったんでしょう。

 確かに、燃料節約は民航のパイロットなら誰しもが考える事でしょうが、今回の着陸強行の理由としては些か弱いような気がしますね。というのも、燃料消費量なんてのはディスパッチャーにとっても水物の世界で、フライトプラン作成時と実際の航行中とで風向・風速が変われば簡単に消費量なんて変わってしまいますし、高効率な飛行高度の管制承認を取れるか否かでも大きく変わる事などざらにあります。勿論、天災などの突発的な事象でホールディングを指示される事もありますし、気象条件が急激に悪化すれば、出発空港への引き返し(これが究極の「燃料の無駄」)や代替空港への着陸なんて事すらあります。
 これらの事を考えれば、着陸復行*1による燃料の無駄など誤差の範疇であり、言い訳以上の価値を持ち得ません。今回は幸いにも重大インシデントで済みましたが、これが地上走行機との接触事故や誘導路の損傷による着陸失敗などに発展していれば、「滑走路と誘導路との誤認を知りながら、着陸を強行した」という故意によるイベント・オブ・チェインの切断放棄は、確実に批判の対象となっていた事でしょう。更に言うなら、「誘導路にタッチダウンしても何とかなる」という韓国人のケンチャナヨ精神こそ、今回の原因であると考えるべきです。
 因みに、羽田空港や成田空港で着陸復行(ないし進入復行)を実施すると、これは目に見えて燃費の無駄遣いとなります。というのも、燃料切れなどによる緊急着陸を宣言していなければ、空港への進入順は再び到着機の最後尾に回される事になり、再進入まで15分から20分、場合によっては30分以上余計に飛行する事になるからです。だからといって、これらの混雑空港で誘導路に強行着陸しようとしても、大抵は地上走行機の2機や3機はいますから、結局は着陸復行せざるを得なくなるんですけどね。
 更に言うと、成田空港でB滑走路の平行誘導路に強行着陸した場合、クランクの中にあるナリバンの敷地に突撃してしまいます。こうなれば、大韓航空機の乗客・乗員が無事では済まないのは勿論、ナリバンも大打撃を被る事になってしまいます。まぁ、大韓航空機の特攻でナリバン完全殲滅となれば、他の利用者にとってはありがたい話かも知れませんけどね。



 さて、強行着陸した機長を非難するのは簡単ですが、再発防止の為には、地上側での対策を充実する必要性があるような気がします。特に、新千歳空港やシカゴ・ミッドウェイ空港のようなクローズドパラレルの滑走路を持つ空港であれば、本当に過失で誘導路に誤着陸してしまう危険性は十分に考えられます。そんな時、ヒントになりそうなのは、秋田魁新報の記事におけるこの部分です。

 着陸当時、空港上空は視界が利く状態で、視界不良の際に使用する滑走路灯や誘導路灯は点灯していなかった。滑走路わきの距離灯、進入角指示灯、滑走路の延長線上に2カ所ある進入灯台はいずれも点灯していた。

 それぞれの灯火については、以下の図を参照してみて下さい。

○航空実用事典: 図2-[5]-5 飛行場灯火の配置図

http://www.jal.co.jp/jiten/dict/g_page/g335.html

 更に平たく説明してくれているのはこちら。

○今日の韓流通信 秋田空港 大韓航空機が誘導路に着陸

http://maokapostamt.blog77.fc2.com/blog-entry-603.html

 滑走路灯や誘導路灯が点灯していなかったのは、「滑走路そのものは視認可能だし、まさかパイロットが誘導路と勘違いする事はないだろう」という信頼に基づくものです。しかし、今回のようにその信頼を裏切るパイロットが出てきた以上、滑走路と平行誘導路とを取り違える事がないよう、どんなに視界が良好であっても、飛行場の運用時間中は常に滑走路灯や進入灯を点灯させておくべきでしょう。電気の無駄遣いになる事は間違いありませんが、少なくとも過失による誘導路への誤着陸はかなり防止できるはずです。
 では、点灯している進入灯を見落とすパイロットにはどう対処すればいいのかという事ですが、こればかりは流石にどうしようもありません。そういう斜め上の重過失をしでかすような航空会社については、フランス政府のように日本国内への乗り入れを禁止する他はないでしょう。今回の件についても、「実は誘導路灯が点灯していた」との情報もあり、相変わらずの香ばしさに思わず涙がチョチョ切れてしまいます。

*1:決心高度以上からの復行であれば「進入復行」になりますが。