五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

北九州市が2010年度に財政破綻の見込み

 という事で、またも積み残しのニュースです。

○「2010年度財政破たん」 北九州市が見通し 経営方針素案 400億円収入不足

http://symy.jp/M299ウェブ魚拓+ウェブ精米)

 m9(^Д^)プギャー
 まぁ、理由は言わずもがなの北九州市ルネッサンス構想ですね。特に、第二次実施計画における四大プロジェクトの推進が、北九州市にとって致命傷となっています。この四大プロジェクトとは、以下の4つを指しています。

  1. 新北九州空港の建設
  2. 響灘大水深港湾の整備
  3. 東九州自動車道の建設
  4. 北九州学術・研究都市整備

 ものの見事にハコモノ行政のバーゲンフェアです。唯でさえ鉄冷えや人口減少で高齢化率が政令指定都市で最も高くなっているところに、更に無駄な公共事業で福祉予算を削って国力ならぬ市力の低下を招いたのですから、これは自業自得と言うしかありません。
 取り敢えず、北橋健治市長は財政見込みに関してこんな事を言っています。

 一方で、北橋健治市長が2月の市長選時に掲げたローカルマニフェスト(政策目標を具体的に示した公約)の完全実施に向けて、10年度に40億円が新たに必要になるとの見解も提示。このため、マニフェストに掲げた子育てや福祉、教育の充実を重点分野に指定した上で(1)市債残高が膨らむ要因になった大型公共事業は採算性を慎重に見極める(2)特定非営利活動法人NPO法人)や企業との協働‐などを推進し、歳出抑制を図るとしている。

 という事であれば、真っ先に採算性を見極めるべきは、需要予測詐欺で二進も三進も行かなくなった新北九州空港であるのは、言うまでもありません。当初需要予測では年間580万人が利用するとしておきながら、現実には大幅下方修正した需要予測である年間283万人の半分すら達成できないという為体ですから、北九州市の財政に与えた悪影響は想像に難くありません。新北九州空港の失敗を損切りし、更に歳入増に繋げようというのであれば、最早米軍や自衛隊の受け入れによる軍民共用化の他に道はないはずなのですが、あくまでも民間路線に拘泥するというのであれば、北九州市新北九州空港もろとも周防灘の藻屑と散る事になるでしょう。
 もう1つ、40億円というある程度まとまった資金が必要となるのであれば、今の内にスターフライヤーに引導を渡しておくべきです。現時点で、北九州市は既に10億円もの補助金スターフライヤーに投入していますが、相変わらず単年度黒字転換への道程は遠く、ともすればスターフライヤーが経営破綻に陥る危険性すらあります。もし、スターフライヤーが倒産するような事があれば、スターフライヤーの残債務について、少なからず福岡県や北九州市が穴埋めさせられる事になり、それによって北九州市も「連鎖倒産」に追い込まれてしまいます。となれば、傷口が浅い内にスターフライヤーを潰してしまい、機材・乗務員ごとANAに引き取ってもらうのが、北九州市にとっては最も安全でしょう。勿論、この場合はANA新北九州空港から撤退するリスクも高まりますが、旧北九州空港に定期便が存在しなかった16年前に戻るだけと考えれば、財政再建団体への転落よりは遙かにマシというものです。
 新北九州空港は、前市長である末吉興一が北九州市に残した最大の負債であり、末吉ハコモノ市政の最大のシンボルでもあります。その新北九州空港と決別できるか否かで、北橋健治財政再建に対する覚悟の程も見えてきます。尤も、相変わらずダブスタまみれの機能分担論を振り翳している限り、財政再建については望み薄ですが。取り敢えず、今の北九州市の財政力では、40年掛かっても償還できない新北九州空港アクセス鉄道など絶対に無理だという事だけでも理解して欲しいものですね。