五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

ボーイング747アドバンスト、遂に本格始動

 ボーイングは諦めちゃいなかったんですね。

○米ボーイング 「747」派生機、開発着手へ 年内に初受注めざす

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200510050021a.nwc

 「アドバンスド」じゃなくって「アドバンスト」じゃないのかと思い、自分の英語力が心配になって英和辞典を引いてみたのですが、やはり正しい読み方は「アドバンスト」ですね。まぁ、更に正しくは「アドヴァンスト」なんでしょうが。どうやら、「アドバンスド」というのは「ウォッカ」や「カムチャッカ半島」と同様、完全に誤用であるらしく、英和辞典では「アドバンスド」とする読みは見当たりません。「ス」が無声音なんですから、当然と言えば当然ですね。
 閑話休題、今更ボーイング747アドバンスド(以下「B747Adv.」)なんて導入したがる航空会社はいるんですかね。既に、燃料効率という点では双発機の優位性が明らかになっていますし、洋上飛行についてもETOPS取得キャリアが増えてきて双発機の制約は少なくなってきています。そんな双発機台頭の立役者であるB777を抱えたボーイングが今更B747Adv.を売り込もうにも、ボーイングの上得意客はみんなB747-400からB777-200ER/300ERに移行済みでしょうから、敢えて4発機であるB747Adv.に戻ってくる航空会社は殆どいない事でしょう。
 となると、ボーイングにとって頼みの綱となるのは日本だけなのですが、JALやANAがB747Adv.を導入するかとなると、これまた甚だ疑問です。ご多分に漏れず、JALもANAもB777を大々的に導入していますし、最近ではB747-400の置き換えをB777-300ERで行っているくらいです。貨物機需要にしても、双方とも貨物機に転用できるB747-400B747-400Dを含む)を大量に抱えていますから、敢えてB747Adv.を導入する必要性には乏しいものがあります。
 そして、何よりも重要なのは、B747Adv.は伊丹空港に就航できないという事です。中型機や小型機ならいざ知らず、大型機なんて就航都市は非常に限られて来るんですから、その中の1つが使えないという事になれば、これはB747Adv.にとって大きなディスアドバンテージでしょう。今後、羽田再拡張によって国内線機材がダウンサイジングしていくというのですから、このディスアドバンテージはより一層B747Adv.に重くのし掛かってきます。
 斯かる状況下においてなおボーイングB747Adv.をJALやANAに買わせようというのなら、残る手段は唯一つ、お家芸の外圧あるのみです。以下のどちらかの外圧を通せれば、或いはB747Adv.のセールスに成功するかも知れません。

  1. 伊丹空港の4発機就航禁止を撤廃させる。
  2. 4発機就航禁止などという制約のある伊丹空港を廃港させる。

 まぁ、どちらも難しいとは思いますけどね。合州国にこんな外圧を掛けられる力があるのなら、成田空港なんてとっくに全面完成していますって。