五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

いい加減に速度制限を見直すべきだ

 さて、自宅から姉の家がある羽村までは自家用車で出掛けたのですが、今回は珍しく八王子バイパスを利用して羽村に向かいました。通常、自宅から八王子方面に行く場合、桜美林学園から戦車道路を経由して最終的には野猿街道に入るのですが、今日はそれほど橋本付近が渋滞していないようだったので、待ち合わせの都合もあり、珍しく250円も払う事にしたのです。八王子バイパスが無料開放されれば、かなりここを通過する機会も増えると思うんですけどね。
 通行料金の話はさておき、私は羽村への道中でかなり厭な気分になりました。何故かというと、東京環状国道16号線)の反対方向、つまり内回り横浜方面において、スピード違反の取り締まり現場を3回も見てしまったからです。土曜日の朝からスピード違反で検挙では、折角の週末が台無しです。
 その3ヶ所をはてなマップで示すと、以下の通りです。

  1. map:x139.3389y35.5964(移動式レーダーによるネズミ取り)
  2. map:x139.3385y35.6071(覆面パトカーによる追尾)
  3. map:x139.3545y35.6778(移動式レーダーによるネズミ取り)

 上記3ヶ所に共通するポイントは、

  1. 自動車専用道路や高架橋など、交差交通や軽車両などの障害が存在しない。
  2. 緩やかなカーブの下り坂で、自然とスピードが出る。
  3. 制限速度が50km/hないし60km/hと、道路の見た目に対して著しく低い水準に抑えられている。

 というもので、ドライバーにとっては鬼門、警察にとっては入れ食いとも言うべき個所となっています。特に、最後の八王子市宇津木町付近に至っては、オービスを潜り抜けた直後にネズミ取りをやっているのですから、完全に「騙し討ち」です。



 私が思うに、日本の速度規制は低過ぎます。特に、自動車専用道路や一般道の自動車専用区間の不自然なまでの速度規制の低さは、明らかにスピード違反での検挙を目的にしているとしか思えません。そうでなければ、一般道は60km/h、高速道路は100km/hという何十年前のものとも知れない法定速度を後生大事に維持し続ける必要性などないからです。
 実は、こうした意見は、私のような直線番長だけでなく、真っ当なモータージャーナリストの間からも上がっています。例えば、岡崎五朗氏は、日経BP「SAFETY JAPAN 2005」でのコラム「安全なクルマ」を再考する!において、日本の速度規制に対して疑問を投げ掛けています。

○第5回:道路やクルマ事情の変化から考える、理想の速度規制とは?

○第6回:メリハリのある速度規制が、日本の交通事情も変える?!

http://nikkeibp.jp/sj2005/column/m/06/

 この中でも、特に「不必要に低く設定された幹線道路の速度制限が、危険を察知する感覚さえ麻痺させてしまっているように思えてならない」という指摘を、日本の警察関係者は真摯に受け止めるべきでしょう。誰が名付けたか知りませんが、「唯減速主義」では交通事故はなくせないのです。
 では、どの程度なら適正な制限速度だと言えるのでしょうか。私が考える適正な法定速度は、以下の通りです。

  • 自動車専用道路
  • 主要一般道
    • 自動車専用区間:100km/h以上
    • 北海道の一般道:100km/h
    • 片側2車線以上:80km/h
    • その他:60km/h
  • 生活道路
    • 中央線あり:40km/h
    • 中央線なし:30km/h
    • 路側帯なし:20km/h

 上記を基準に、沖縄や長崎などの快走路では片側1車線でも制限速度を80km/hにしたり、逆に東京や大阪などの市街地では交差交通の頻度を鑑みて制限速度を40km/h以下にしたりするなど、実際に流れるであろう車速を推測して、メリハリの利いた速度規制にすべきです。少なくとも、札幌市のように「市内一律40km/h制限」などとするのは愚の骨頂であり、市内のあちこちで手ぐすね引いて待っているネズミ取りの連中など、ドライバーの恨みこそ買え、交通安全に資する事など一切ないと言い切っていいでしょう。
 こんな速度規制案を提示すると、決まって「速過ぎて危険だ」だの「自転車や歩行者への配慮が足りない」だのといった声が出てくるのですが、気にする事はありません。抑も、60km/hや100km/hなんて数字が決まった時代の自動車など、直進走行安定性も制動能力も覚束無く、極端な話高速道路を100km/hで安定走行できる自動車を製造するのが1つの目標だったくらいです。ところが、昨今の自動車といえば、手放し運転が出来てしまう*1くらいに直進走行安定性は高く、制動能力もABSやブレーキアシストなどで往時とは比較にならないくらい高くなっています。
 ペーパードライバーならいざ知らず、ある程度自動車を運転する人間であれば、こうした最近の自動車の性能に順応していますから、高速であっても意外としっかり自動車をコントロールできているものです。寧ろ、エンジンの静粛化やAT車の台頭により、気が付かない内に高速運転しているという例も数多くあるくらいです。はっきり言って、高速道路を140km/hで走行できないようなドヘタクソは、とっとと自動車交通からお引き取り願いたいものです。ドイツの高速道路が日本よりも安全なのは、こうしたヘタクソの自覚がしっかりしているからです。まぁ、これについてはAT限定免許などという欠陥免許を世に送り出してしまった世紀の愚策にも問題がありますけどね。



 もう1つ重要な事として、「あんぜんはいつもじぶんのこころがきめる」というものがあります。ええ、何かにインスパイヤされてますよ(;´Д`)
しあわせはいつも

しあわせはいつも

 縦令制限速度が140km/hだったとて、降雨や濃霧、或いは車両や積載物によっては、100km/hですら危険だという事もあるのです。豪雨や豪雪などであれば臨時の速度制限も有効でしょうが、車両や積載物、ましてや搭乗人員なんてのは一律の速度制限など効果がありません。結局は、ドライバー自身が法的な速度規制とは別に物理的な限界速度を把握するしかないのです。
 この物理的な限界速度は、ドライバー自身の経験に拠るところが大です。それは、どれだけ高速に走行できるかというだけの話ではなく、どれだけ適切な走行速度を選択できるかという事にも繋がります。大抵のドライバーは、「この道路であればこのくらいの速度は大丈夫だな」という事を判断できる能力がありますし、しかもその速度は大抵のドライバーにおいて共通だったりします。日本におけるスピード違反の取り締まりがドライバーの恨みを買うのは、単にその手口が卑怯であるだけでなく、制限速度がドライバーの共通認識と大きく隔たっているという理由もあるのです。誰もが80km/hで走っても安全だと認識するような場所で50km/h制限なんかしていれば、検挙されたドライバーが口を揃えて「納得いかない」と不平を言うのも当然でしょう。
 最近では、こういう実態と規制との乖離を流石に警察も認識し始めたのか、一般道で80km/hに踏み切る所も出てきました。

○安全意識もアップしてネ 宇都宮北道路 きょうから80キロ規制

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20051108/lcl_____tcg_____002.shtml

 私は、このニュースを新聞ではなくフロレスタンさんの記事で知ったのですが、現行法下においてもこのような動きが出てきた事を、先ずは歓迎しておきます。その上で、交通量が少なく線形もいいような区間においては、80km/hとは言わず、100km/h以上の速度制限を導入する事も検討すべきでしょう。栃木県警がどのようなきっかけで規制緩和に踏み切ったのかは知る由もありませんが、このような規制緩和が全国に広がってくれる事を期待して止みません。
 まぁ、規制緩和とまでは言わなくても、せめて騙し討ちのようなスピード違反の検挙さえなくなれば、もう少し道路交通の安定的な高速化に寄与すると思うんですけどね。その為には、反則金収入を警察の懐に入れさせるのではなく、しっかりと財務省が召し上げる事が必要です。どんなに検挙してもテメエの収入にならないという事であれば、警察も交通違反の検挙をノルマ化する事なんかなくなるでしょうし、「反則金収入の予算化」などという本末転倒も消え失せる事でしょう。しかし、殊駐車違反に関する限り、トレンドは寧ろ「検挙すればするほど儲ける」という逆コースを辿りつつあります。これが、ドライバーと警察との新たな軋轢にならない事を、心から祈るばかりです。

*1:勿論、出来るからといって本当にやるべきではありませんが。