五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

JALのクラスJ、どーんと27席増

 まぁ、これまた遅れ馳せながら、といった感じのネタですが。

JAL、「クラスJ」の座席数を大幅拡大!

http://www.jal.com/ja/press/0000324/324.html

 やはり増席となりましたか。そりゃあ、普通席が閑古鳥でもクラスJだけ満席なんて事がままあるんですから、当然といえば当然の結論ですね。尤も、普通席がガラ空きでも敢えてクラスJ空席待ちに突っ込むJAL利用者ってのも如何なものかと思いますがorz



 今回のクラスJ増席で面白いと思ったのは、「幼児連れのお客さま優先座席」なるものが設置されたという事です。これが「乳児連れ」という事であれば、現在でもバシネット席*1というものが存在するのですが、「幼児連れ」というのは日本初ではないでしょうか。やはり、たったの+1,000円で利用できるからこそ、玩具や飲み物を収納するスペースの多いクラスJが、幼児連れにも広く利用されるようになったのでしょう。ANAのスーパーシートプレミアムでは、優先座席どころか幼児なんかにスーパーシートプレミアム運賃なんて払えるかというオチになる事が見えています。
 実際、札幌や福岡などの幹線においては、幼児連れのクラスJ利用客を多く見掛けます。流石に、早朝の伊丹行きや深夜の関空発なんかだと乳幼児の存在は稀ですが、それ以外の路線においては、寧ろ「幼児連れならクラスJ」といった勢いの家族連れすらいます。吉牛コピペよろしく「よーしパパ毛布頼んじゃうぞー」みたいな勘違い野郎こそいませんが、ビジネス客からは「何故クラスJにガキが闖入してんだ」という苦情が数多くあったのでしょう。クラスJの乳幼児など、カラスフライトを考えれば実に大人しいものなんですが、それでも「乳幼児が近くにいる」という事自体を耐えられない旅客が数多くいるようです。それで、今回の「ガキ隔離」という方策に至ったのでしょう。これで、B777のAコンは静かになるかも知れませんね。
 因みに、私が来月湯布院・黒川へ行く際は、5歳の甥っ子も当然の如くクラスJに乗せます。そりゃあ、自分が暮らすJに乗りたいんですから、こういう事になる罠。まぁ、航空機ならシートベルトで座席に拘束しておく事が出来ますから、機内を走り回るなんていう心配はしなくて済みますけどね。

 何はともあれ、クラスJの増席及び小型機材への新規導入は、取り敢えず歓迎しておきます。B737MD-90へのクラスJ設置が進めば、今まではモノクラスだったが故に敬遠していた東京=高知や東京=宮崎などにも搭乗機会が増えるほか、東京=秋田や東京=広島などのクラスJ設置有無がバラバラな路線で苦悩する事もなくなります。羽田空港再拡張によって発着枠が大幅に増加*2すれば、これらナローボディ機材が活躍する場面も爆発的に増大する事でしょうから、今の内からクラスJの設置に取り組んでおくに越した事はないでしょう。
 とはいえ、この座席数を見ると、また1つ新たな苦悩が出てきます。それは、離島路線のクラスJ争奪戦です。今までは、東京=石垣や東京=奄美大島は「どうせモノクラス機材なんだから」と普通席に甘んじていましたが、クラスJが設置されるとなれば、「どうせ乗るならクラスJ」という同志が増えるのは間違いありません。搭乗時間の長くなる離島路線であればなおさらです。となると、連休絡みのクラスJ争奪戦は東京=宮古のそれを軽く上回る壮絶なものになる事が予想され、特に割引運賃用の予約クラスであるLクラスに至っては、一体何席設定されるのか、今から戦慄が走ります。唯でさえ20席しかないB737クラスJなのに、そこから旅行会社がクラスJ事前確約で何席かもぎ取っていく事を考えると、Lクラスは最大でも4席、下手すれば設定なしなんて事も十分あり得ます。
 そういえば、JTA074便(石垣→宮古→東京)の特典航空券枠は、

  • 石垣→宮古:2席
  • 宮古→東京:2席
  • 石垣→東京:2席

 と、普通席ですら4席しか設定されていないという事を思い出しました。これは、3年前に特典航空券デスクで確認した事なのですが、普通席でさえこの厳しさなのですから、クラスJなんてのは端から特典航空券枠なんか存在しない事でしょう。有償運賃であるLクラスについても、推して知るべしです。
 結局、下手にクラスJなんてものがあるばかりに、兵どもは天を目指すべく予約段階でクラスJを争い、その敗残者は当日空港でクラスJを争う事になるのです。しかも、離島路線なんてのは基本的に1日1往復ですから、クラスJ争奪戦は一発勝負となり、高校野球もビックリの明暗に分かれてしまうのです。まぁ、こんな状況でもSSSS*3なら余裕でクラスJを攫っていくんだろうなぁ……と考えると、ちょっとブルーになりますね。



 因みに、今回のプレスリリースでは、蚊帳の外に置かれている機材が幾つかあります。それは、

  • A300-600R(AB6)
  • A300-B2/B4(AB3)
  • MD-81(M81)
  • MD-87(M87)
  • CRJ-200(CRJ)

 といったものです。この内、J-AIR機材のCRJ-200については、抑もクラスJなんか設置されるとは誰も思っちゃいないからいいのですが、問題はそれ以外の旧JAS機材です。A300-B2/B4は早晩引退するからまだしも、A300-600Rの増席がないというのは大問題です。何せ、現在(コンフィグ:H12)のクラスJ座席数はたったの34席しかなく、B767-346クラスJ増席機材(コンフィグ:A23)の42席よりも少ないくらいです。ましてや、これからは旧JAL機材のクラスJが軒並み80席前後になるというのに、いきなりクラスJが34席しかない機材がやってきては、A300-600Rでの運航便だけ早大門状態です。まぁ、A300-600Rの場合、L2/R2ドアの位置がかなり前寄りにあるという問題がありますから、クラスJを増席できないのは仕方がないのかも知れませんけどね。
 しかし、このA300-600R、2003年4月のJJ合併フェーズ1.5以降、東京からの北海道・九州路線では非常に搭乗機会が多くなった機材ですから、少しはクラスJの増席を考慮して欲しいものです。MD-81やMD-87もそうなのですが、これらの機材は何時になったら退役するとも知れないんですし、少なくとも羽田再拡張を見越してそれなりのクラスJ率を確保しておくべきでしょう。どうせ、B787-346で中型機を統一出来るのは2015年以降になりそうなんですしね。



 何はともあれ(←本日2回目)、早く来い来いクラスJ。取り敢えず、羽田=関空線の全便にクラスJを設置して欲しいものですね。そうすれば、別に伊丹への執着心がない私は、明日からでも*4往復関空利用に切り替えるのですが。

【2005-11-14 追記】
 優先座席の対象は、座席を占有しない3歳未満の乳幼児ですたorz

クラスJにお子様連れ優先座席を追加!

http://www.jal.co.jp/new_service/

 期待させんなや!ヽ(`Д´)ノ

*1:尤も、これは「優先座席」というよりも物理的にバシネットを設置できる座席であるというだけですが。機材にもよりますが、足下スペースが他の座席よりも広い為、意外と大人にも人気がある座席です。但し、あくまでも乳児利用が最優先ですから、当日になって乳児客が現れれば、事前座席指定なんてものは軽く取り消されます。

*2:実際には、発着枠の増加というよりも発着制限の緩和なんですけどね。現在、羽田空港の発着枠に対する二大制約は、「横風時の3時間発着数制限」及び「東京上空を通過する飛行経路の設定不可」です。前者はD滑走路の完成で解決しますが、後者は永遠に解決しそうにありませんね。

*3:AirTariffや2ちゃんねる航空板などでまことしやかに囁かれる、ナゾのJAL国内線お得意様集団です。JGCやJMGとは別ルートの専用予約ダイヤルを持ち、リクエストを入れればどんな路線でもどんな運賃でもバッチリ回答という、非常に羨ましい身分だったりします。当然ながら、「ナゾの」と言い切る以上、私はその一員ではありませんorz
因みにこのSSSS、資格認定があったのは2003年のたった1回だけという事で、この年にスーパーシートを30回以上利用した乗客のみにお誘いがあったそうです。2005年にクラスJで同様の資格認定があれば、今頃私もSSSSの一員になれていたんですけどね。

*4:プレスリリースによれば、「客室の改修は05年度末頃より07年3月までに順次行います」との事なので、明日からMD-90クラスJが設置されるなんて事はないんですけどね。まぁ、羽田=関空線の利用客がずば抜けてクラスJ指向だという事はJALも重々承知のハズなので、クラスJ設置のプライオリティもかなり上げてくるとは思うのですが。