五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

セントレア景気のいい話

 富山ではJAL撤退が云々されている中、名古屋ではこんな事になっています。

○中部空港会社の今期、開港初年度で純利益9億円見通し

○中部空港が黒字決算 初の9月中間、経常益19億円

http://www.chunichi.co.jp/00/cko/20051117/ftu_____cko_____000.shtml

 まぁ、当然といえば当然ですね。中部は関空の紆余曲折をケーススタディにしているんですから、それで赤字を出したなんて事になれば、内外から嘲笑や避難を浴びるだけです。というよりも、中部は勿論、チェクラプコク*1も仁川も関空のフォロワーでしかないのですから、成功して当たり前であり、関空の前轍を踏むような事があれば、それは関空劣化コピーというレッテルを貼られる事に他ならないのです。
 もっと言うならば、関空というのは世界初の本格的な海上空港であり、現代アジアにおける巨大空港プロジェクトの先行者であるのです。その関空が、土木的・金銭的な壁に多く突き当たるのは、先行者としての宿命であり、決してその事自体は否定されるべきではありません。確かに、地元漁協への保障問題や伊丹空港との機能分担など、責任者が強く追及されるべきエラーも数多くありましたが、少なくとも関空先行者としての役割についてだけも、もっと高く評価されて然るべきではないのでしょうか。関空で散々事例研究をしておきながら、関空を一方的に「失敗空港」と位置付け、剰え中部を「優等生」だなどと自画自賛するのは、関空に対する冒涜に他なりません。中日新聞、アンタだよアンタ。



 で、中部の黒字決算なのですが、これはご祝儀相場や万博特需によるものと見た方がいいでしょう。確かに、「非航空収入が110億円と全体の4割を占めた」事については、成田や関空など、航空収入への依存度が高い日本の空港においては、高く評価されるべきです。しかし、「万博による増収は約11億円」との事なのですから、この万博特需を差し引けば、06年3月期の連結決算では、純利益ベースで2億円の赤字という事になります。開港直後というご祝儀相場もなくなれば、更に赤字幅は増大する事になります。平野幸久社長も、「優等生」などと煽てられて有頂天になるのではなく、今後50年、100年に渡って中部を発展させる為の方策を改めて検討すべきでしょう。
 どうせ、マスゴミなんてのは二階に上げて梯子を外すのがお家芸なんですから、一度赤字でも出そうものなら、掌返しで「無駄空港」と揶揄されるのがオチです。中部の場合、下馬評を裏切って黒字決算を出してしまったのですから、なおさら掌返しは苛烈になります。そういう意味で、現在私が最もマスゴミの掌返しを期待しているのが新北九州空港だったりします。こちらは開港まであと5ヶ月、どの時点でマスゴミが寝返るのか、今から目が離せません。

*1:香港国際空港の所在地をGoogleで検索してみると、「赤鯔角」「赤立角」「赤蝋角」など、様々な漢字表記が見受けられます。「赤鑞角」なんかは、果たして和文フォントが対応しているのかどうか不安になってしまいます。ここでは、一応カタカナ表記という事にしておきます。