五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

政府税調の前後不覚

 さて、大石先生が浮かれている一方で、こんな腹立たしいニュースも入ってきています。

○IT減税廃止、たばこ増税見送り 政府税調答申素案

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200511230027a.nwc

 まぁ、IT減税の廃止は仕方がないとしても、たばこ税の増税を見送る理由など何処にもないでしょう。一方で、道路特定財源一般財源化しようっていうんですから、非喫煙者のドライバーとしては納得が行きません。

○現行の税負担水準が適当!? ---政府税調が首相に答申

http://response.jp/issue/2005/1125/article76843_1.html

 要は、政府税調の面々は、自腹切ってクルマには乗らないけど煙草は吸うって事なんでしょうね。別に今の暫定税率を恒久化されても全然痛みは感じないんでしょうが、日々の煙草代を値上げされるのは勘弁ならないんでしょう。道路特定財源そのものについては、11月12日に書いたので、ここで重ねて書く事はしません。しかし、国際的な趨勢であるたばこ税・酒税の値上げを棚上げしておきながら、道路特定財源一般財源化を言うのは、剰りにも物事の順番が分かっていないとしか言いようがありません。こんな為体で「納税者の理解を求めつつ」などと言い出す石弘光のオツムが、私にはよく理解できません。まぁ、さぞかし立派な石頭の持ち主なんでしょうね。
 因みに、前回は政府税調と同様に批判した読売新聞の社説ですが、今回はそこそこ見るべきものを書いています。

○[たばこ税]「引き上げ論には一理がある」

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20051123ig91.htm

 掲載期限が迫っているので、内容には深く踏み込みません。その代わりに、特に刮目すべきセンテンスを3つ引用しておきます。

 今年度のたばこ税収は、国と地方を合わせ約2兆2000億円と見込まれている。仮に税率を倍に引き上げ、消費量が変わらなければ2兆円以上、消費税率1%分に近い増収を期待できる。

 要は、たばこ税を欧米水準にすれば、自動車関連の暫定税率を撤廃しても同程度の一般財源収入が期待できるという事なんです。ここに、酒税の引き上げも加われば、暫定税率の撤廃を通り越して、高速道路の無料開放まで出来そうな勢いです。飲用者の肝臓や脳を破壊するだけのアルコールと、弊害がありながらも経済効果のある高速道路とでは、どちらの方により重税を課すべきかは、言うまでもありませんね。

 増税で価格を上げることは、未成年者の喫煙防止にも効果があるはずだ。

 全く以て同意。同時に、酒税もどーんと値上げすれば、未成年者の飲酒防止にもなりますね。出来る事なら、これからの世代には、生涯を通じて飲酒も喫煙もしないで欲しいものです。こういう薬物文化は、立ち枯れさせるのが一番安全な撲滅法ですからね。

 自民党の厚生労働部会は、たばこ税の増税を党の税制調査会に要望した。その税収は健康増進対策に充てるというが、使途の特定は予算の硬直化を招く。あくまで一般財源として扱うべきだ。

 これに関しては、時限的に特定財源とする事を検討してもいいでしょう。例えば、3年なら3年、5年なら5年と年限を区切り、その間に健康増進制度を整備して、あとは一般財源からその制度を継続していけばいいのです。最初から一般財源化するよりも、ある程度喫煙者の反発は軽減される事でしょう。