五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

音楽の価値低下に敏感な欧州の若者

 これは、上記2つのニュースの続きです。

○「欧州の若者はPtoPの影響で『音楽は有料』という意識が薄い」,米JupiterResearch

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20051130/225492/

 この手のニュースに触れる度に私が言う事ですが、所詮、CDなんてのは板でしかないのです。つまり、消費者が求めるのは、音楽という中身ではなく、CDというパッケージそのものなのです。そういう意味で、CD販売ってのは「コレクター向け」にならなければならないのであって、CDの売り上げを伸ばすには「コレクター」を育成する必要があるのです。昨今氾濫しているような「使い捨て音楽」であれば、それこそ「コピーで十分」ですからね。あとは、そのコピー元がP2PからなのかレンタルCDなのかという違いくらいでしょう。
 ところで、日本においては「音楽は有料」という認識が何処まで広がっているかですが、私は意外とこの認識は普及しているのではないかと思っています。というのも、日本においては携帯電話の着メロ・着うたの普及率が非常に高く、これらのコンテンツは殆どが有償による正規ダウンロードだからです。結局、「有料か無料か」という問題は、「手間が掛かるか掛からないか」という問題の前には無力なのであり、ダウンロードの手間賃程度で楽曲が手に入るのであれば、ケータイ世代の若者でも有料コンテンツの顧客になり得るんですね。
 その上で、日本における音楽業界の展望を考えてみると、これは海外と同様にお先真っ暗と言っていいでしょう。日本には、シャイロック、じゃなかった、ジャスラックという利権団体が蔓延っているというのもありますが、ケータイ文化の普及により、高額パッケージのコンテンツ商品が非常に売れにくくなっているからです。別に、ケータイ文化が悪いというのではなく、それだけ高額パッケージに対する消費者の取捨選択が厳しくなったという事です。こんな世情の中でも、売れるべきコンテンツはしっかりと売れているというのが、それを顕しているでしょう。まぁ、エイベックソクソニーみたいに「使い捨て音楽」ばかりを吐き出してきたレーベルには辛い世の中かも知れませんね。