五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

サウスウェスト航空がシカゴ・ミッドウェイ空港でオーバーラン

 サウスウェスト航空創業以来の惨事でしょう。

○米機オーバーラン1人死亡 大雪のシカゴ

○降雪のシカゴで航空機が滑走路逸脱、悪天候が原因か

http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200512090002.html

 事故当時、私は別府にいた為、詳細を知ったのは帰宅してからでした。しかし、往復ともミッドウェイ空港と同じく市街地に立地する福岡空港を利用し、しかも1日ずれれば福岡地方が大雪だったという事を考えると、背筋が寒く……はなりませんね。大雪が降ったら、航空機搭乗中の事故遭遇を心配する前に、テメエが自動車で事故を起こさないかの心配をした方がいいでしょう。確率としては、そっちの方が圧倒的に高いのですから。



 さて、今回の事故報道では、ミッドウェイ空港の滑走路長が短かった事、或いはミッドウェイ空港に十分な過走帯や緩衝地区が存在しなかった事を指摘するものが散見されます。流石に、日本のメディアではここまで突っ込んだ報道はなされていませんが、現地の報道だと、やはり空港そのものに目が行くようです。

○Midway accident spotlights short runways

http://www.usatoday.com/news/nation/2005-12-10-midway-runways_x.htm

 では、実際にどの程度余裕がなかったのかというと、こちらのサイトで事故発生現場の航空写真が掲載されています。

○酔うぞの遠めがね: シカゴの空港で飛行機と自動車が衝突

http://youzo.cocolog-nifty.com/data/2005/12/post_1c5e.html

 まぁ、確かに米国本土の主要空港と見比べれば、その余裕のなさは一目瞭然です。しかし、滑走路長6,522フィート()というのは、日本で言うなら宮古空港佐賀空港と同じであり、中には稚内空港オホーツク紋別空港のような酷寒地の空港もあります。更には、富山空港のように雪の中をB767-300が就航する空港もあります。決して、「滑走路が短過ぎる」という事はないのです。
 因みに、当時のMETARは、こちらのサイトで見る事が出来ます。

○PAXのひとりごと:シカゴ ミッドウェー空港でサウスウエスト航空機がオーバーラン

http://blog.goo.ne.jp/boeing777-346er/e/bbe60848a6fdb751f752bccfc004bb6a

 お世辞にも離着陸に適した条件だとは言えませんが、この程度で文句を言っていては、真冬の新千歳空港旭川空港には発着できませんね。



 要するに、米国本土は空港事情が恵まれ過ぎているという事です。勿論、それ相応に航空需要もあるからこその話なのですが、もう少し「必要最小限の環境で航空機を運用する」という事に慣れてもいいのではないでしょうか。別に、滑走路長だけに限った話ではないのですが、設備改良の前に出来る運用改善もあるのではないかなぁと、空港事情がお粗末な日本に住む私は思うのです。
 もし、この程度の環境でまだまだ足りないというのであれば、是非アメリカ合州国よりも遥かに空港設備の乏しい日本に対して、手篤い援助をお願いしたいものです。日本には、1,500mの滑走路でB737を就航させている石垣空港を筆頭に、慢性的な空域不足に悩まされる羽田空港や滑走路処理能力が逼迫している那覇空港など、ミッドウェイ空港よりも遥かに設備改良の必要性が高い空港が山ほど存在します。「船頭多くして船山に上る」状態の関西3空港だの、需要予測詐欺の新北九州空港だの、日本でもオッペケペーな空港政策は数多くあります。しかし、それらを差し引いてもなお、日本では空港投資の更なる増大が必要不可欠なのです。
 取り敢えず、合州国で空港改良する予算があるのなら、その幾ばくかでも関空2期に分けてくれないものですかね。完成の暁には、ユナイテッドやノースウェストに関空発着国内線を開放してもいいでしょう。どうせ、JALもANAも関空発着国内線には消極的なんですからね。まぁ、ANAに限って言うなら、関空発着国際線にも消極的ですが。