五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

事故調は突風の一点張りへ

 辞書で検索すると、どうも「一点張り」という言葉にはマイナスイメージの方が強いようですね。

羽越線脱線、事故調査官に気象専門家を任命

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051230i112.htm

 手前味噌で恐縮ですが、やはり12月28日の記事で指摘した通り、気象観測の分野では、鉄道は航空に大きく後れを取っています。今回、航空気象専門家をいなほ14号脱線事故の調査に招聘したのは、ある意味当然と言うべきです。ここへ来て、航空事故調査委員会航空・鉄道事故調査委員会へと改組された効果が出てきたのかも知れませんね。
 しかし、気象庁観測部の調査官が事故調入りしたところで、先ずはそのお粗末な気象観測体制に愕然とする事でしょうね。過去のMETARやSPECIが容易に入手できる航空気象観測の世界と異なり、鉄道の気象観測となると大抵は地方気象台頼みとなってしまいます。前者の記事では、

 航空気象の分野では、離着陸時の航空機がマイクロバーストに遭遇した場合、致命的な事故につながることから研究が進んでいる。だが発生は局地的で、継続時間も短いため、事前に予測するのは極めて困難とされている。

 などと、「風の息づかいを感じていれば」云々の毎日社説を全否定するような事を書いていますが、この調査官が報告書の冒頭で書きそうな事は、「お前らもっと真面目に観測せえや」ですね。
 因みに、後者の記事では、こんな事も書かれています。

 協議会にはJR各社など鉄道会社のほか、学識経験者らが参加。各社の観測体制や運行管理、防風対策が適切かどうか検証する。

 んなもん、航空屋から見たら「不適切」って結論が出るに決まってますね。一丁前にTAFを打てるようになって、初めて航空屋も真面目に取り組んでくれるというものです。