五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

JALグループが新北九州空港就航路線の特便割引を発表

 最後に、軽く流すようなネタでも流しておきます。

JALグループ、2006年3月16日〜31日ご搭乗分「特便割引」を設定

http://www.jal.com/ja/press/0000398/398.html

 おいおい、やる気あるんかいなJALは(;´Д`)
 そりゃあ、スターフライヤーが就航記念運賃と称して片道9,900円で売り出すっていうんですから、3月31日まではスターフライヤーのご祝儀相場と割り切るのもアリでしょうが、それにしたって特便割引7が19,900円は高過ぎるでしょう。幾らクラスJを設置すると言っても、スターフライヤー+11,000円というハンデは剰りにも大き過ぎますし、抑も出張時にクラスJの利用を一切認めていない企業へのケアがなさ過ぎます。ここまでお座なりな運賃設定だと、またぞろ「JALは北九州から撤退したがっているのか?」と疑いたくもなります。
 こうなると、新北九州空港開港時にA300-600Rを3往復も投入する事についても、私は疑念の目を向けたくなります。機材が大型化すれば、それだけ見かけ上の搭乗率は減少する事になりますから、路線撤退を通告する時のいい口実になるのです。まぁ、わざと機材を大型化して搭乗率を目減りさせるってのは、JALじゃなくってANAのお家芸なんですけどね。



 さて、今回の運賃設定ですが、従来の東京羽田=北九州線の運賃設定を忠実に踏襲したと見てよいでしょう。どういう事かというと、新幹線競合路線タイプと九州路線タイプとの折衷であるという事です。具体的には、

  • 新幹線競合路線タイプ
    • 特便割引1を通年設定し、新幹線の運賃・特急料金と競合可能な運賃に設定。
    • 特便割引7は設定なし。
    • 前売り21も一応設定されるが、他路線と同タイミングでブラックアウト。
  • 九州路線タイプ
    • 特便割引1は、全便均一運賃。
    • 特便割引7は、早朝・深夜便を除き全便均一運賃。
    • 前売り21は、昼間便の特便割引7よりも若干安い運賃水準。
    • 以上3運賃は、3連休やピーク期などに易々とブラックアウト。
      • 但し、早朝・深夜便の特便割引7のみ通年設定されるが、運賃水準は通常期より上昇する。

 といったそれぞれのタイプを折衷し、

  • 東京羽田=北九州タイプ
    • 特便割引1・特便割引7とも通年設定だが、ピーク期は運賃水準が上昇する。
    • 前売り21は、特便割引7よりも若干安い運賃水準で、他路線と同タイミングでブラックアウト。

 といった感じです。今回は、3月中の運賃発表という事で、前売り21の運賃は発表されていません。しかし、特便割引1・特便割引7も含めて、4月以降も現在の運賃水準がそのまま適用されると見てほぼ間違いないでしょう。まぁ、前売り21が特便割引28に変更される可能性は残っていますが、これは北九州云々ではなくJAL全体の問題ですね。
 ここで、スターフライヤーの運賃設定によるJALへの影響なんですが、これは余り発生しないでしょう。既に、スターフライヤー自身が就航前からバーゲン型運賃の設定を吐露していますから、相対的にSTAR1やSTAR7などの特定便割引運賃が売れにくくなる事となり、自然と株主優待割引を中心とした低価格路線への移行を強いられる事になります。あとは、スターフライヤーの早朝便や深夜便がどれだけ販売できるかにも懸かってきますが、昼間便だけに限ってみれば、STAR1/7も特便割引1/7も誤差の範疇ですから、スターフライヤーが一方的に価格決定権を握る事はないでしょうね。



 なお、バーゲン型運賃の設定による自縄自縛について、私はスターフライヤーは就航後半年も経てばレームダックに陥る」と思っていますが、スターフライヤーの乗客はその多くが株主企業の社員となる事が予想される為、搭乗率だけはそこそこの数字を叩き出すような気がします。プレスリリースやマスメディアでは、搭乗率(ロードファクター)を報道しても、便当たり売り上げ(ユニットレベニュー)や利益率(イールド)を報道する事は稀ですから、見た目の搭乗率に騙されて「スターフライヤー好調発進」とする報道は後を絶たないでしょう。しかし、株主優待割引やバーゲン型運賃ばかり使われては、スターフライヤーの経営も長くは続かないでしょうね。
 とはいえ、スターフライヤーの経営破綻は福岡県や北九州市が決して許さないでしょうから、ここで福岡県や北九州市による補助金の追加投入が発生する事でしょう。既に、スターフライヤーは福岡県から8億円、北九州市から10億円の補助金を受けているのですが、今後更にスターフライヤーが福岡県や北九州市に集る可能性は十分にあります。そして、福岡県や北九州市から摘んだ補助金は、回り回ってスターフライヤーの株主企業に回る事になります。抑も、スターフライヤーの株主となった企業は、株主優待割引の利用でスターフライヤーを徹底的にしゃぶり尽くすのが究極の目的なのですから、株主優待割引の積極的な利用は、株主企業として当然の事です。
 こうして、福岡県民や北九州市民は、己の血税スターフライヤーの株主企業を肥え太らせる事になるのです。しかし、そういう絡繰りに気付いている北九州市民はなかなかいないようで、新北九州空港盲信派を中心に、今は開港直前のお祭りモードです。こういうおめでたい人々は、スターフライヤー新北九州空港以外を発着する路線に進出するまで、目が覚める事はないんでしょうね。個人的には、スターフライヤーが羽田=神戸や羽田=岡山に進出したら面白いかなぁと思っています。幾ら何でも、羽田=福岡にだけは就航しないでしょうけどね。
 因みに、堀高明社長が言っている「3年後の上海進出」ですが、実現の可能性は極めて低いと言うべきでしょう。何故かというと、日支航空協議において、支那は上海発着枠拡大の見返りに羽田国際線枠の優先割り当てを要求しているからです。既に、成田=上海線維持の為に関空=上海線を減便する所まで発着枠の問題は発展しているのであって、ここに1ローカル空港である新北九州空港の割り込む余地などありません。スターフライヤーが新北九州=上海線を運航しようとすれば、国土交通省はその見返りとして中国東方航空中国国際航空に昼間の羽田線の就航を認めなければならないのです。国土交通省にしても、或いはJALやANAにしても、到底呑めた話ではありません。中国南方航空の上海=新北九州線に実現の目処が立たないのは、その裏返しといってよいでしょう。

 さて、全般にやる気のない新北九州空港の運賃設定ですが、ピンポイントでキラリと光るものがあります。

小牧線だけは安いなぁ(;´Д`)」

 この10,600円という運賃設定だけは、JAL(というよりもJ-AIR)のやる気を感じさせます。こりゃあ、ツアーバスでも使って名古屋まで行きますかね。CRJ-200にも乗った事がありませんし、初乗りとしては面白いかも知れません。流石に、体力が続くかどうかは心配ですけどね。ええ、ここ5年間、夜行バスとも青春18きっぷとも無縁ですから(;´Д`)