五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

ANAのクラシックジャンボが全機退役

 これも、時代の流れなんでしょうね。

○ありがとう、スーパージャンボ
〜3月10日(金)ボーイング747SRが鹿児島→羽田線を最後に退役いたします〜

http://www.ana.co.jp/pr/06-0103/06-004.html

 元より、2005年度ANAグループ航空輸送事業計画でANAのクラシックジャンボは全機退役が公表されていたのですが、いざ実際にANAからクラシックジャンボがいなくなるとなると、やはり一抹の寂しさは感じます。日本航空*1B747SR-46が全機退役して後、全日空*2B747SR-81は日本に残る唯一のB747SRだったのですが、これにていよいよ日本の空からB747SRが絶滅してしまう事になります。それと同時に、ANAから3メンクルー*3機材が消える事であり、ANAから航空機関士が消える事でもあります。シンガポール航空ヴァージンアトランティック航空が聞いたら鼻で嗤いそうな話ですが、ANAファンにしてみれば惜別の思いが募る事でしょう。



 とはいえ、B747SR-81の居場所は、B777-381の就役で既になくなっていたのも、また確かです。何せ、B777-381であれば、

  • 座席数はB747SR-81よりも多い。
  • 運航燃費はB747SR-81よりも圧倒的に効率的。
  • 航空機関士が不要。
  • 騒音はB747SR-81よりも静粛化。
  • 双発機なので、大阪国際空港(伊丹)にも大手を振って就航できる。

 と、ANAにとってはいい事尽くめです。3-4-3アブレストという詰め込み*4にさえ目を瞑れば、乗客にとっての快適性もB777-381の方が上でしょう。そういう意味では、B747SR-81は、消えるべくして消える機材であると言えるのかも知れません。
 取り敢えず、2006年3月10日のの鹿児島→羽田線ANA624便(12:15発→13:50着)がラストフライトなんだそうですから、感傷に浸りたい向きは乗ってみるといいでしょう。私も、ひょっとしたら羽田空港まで最後のB747SR-81を見に行くかも知れません。ランプバスから何度となく見上げた事があるB747SR-81ですが、いざ退役となると、私がB747-SR81を見る目も変わるかも知れません。所詮、私も感傷的な人間の1人です。



 因みに、JALのクラシックジャンボなんですが、これは最短でも2009年まで日本の空を飛び続ける事になりそうです。B747SR-46こそ全機退役済みですが、その亜種とも言うべきB747-146B/SUDや、国際線機材のB747-346は、現在でも元気に飛び回っています。しかも、ボーイングのデリバリー遅れや労働組合の絡みで、この退役は2010年以降にずれ込む可能性が色濃く残っています。良くも悪くも、B747最大のお得意様*5らしいですね。
 JALのクラシックジャンボは、JALウェイズや日本アジア航空(JAA)の路線を選べば、ほぼ確実に乗る事が出来ます。MAGICを搭載していない分、エコノミークラスのシートピッチには幾ばくかの余裕がありますから、「どうせ機内でビデオなんか見ないし」という向きは、クラシックジャンボ運航便を狙って乗ってみるのもいいでしょう。内装の古さに目を瞑れば、クラシックジャンボもなかなか乙なものですよ。それに、MAGICなんて高確率で故障しているんですからorz
 国内線においても、東京羽田=沖縄那覇では高頻度でB747-146B/SUDに出会しますから、当面は有り難がる必要もなさそうです。っていうか、クラスJ少な過ぎやっちゅうねん(つД`) B777-246なんて89席もクラスJ設定するっちうに。

*1:この文脈では、敢えて「JAL」とは書かずに「日本航空」と書きます。やはり、クラシックジャンボには「JAL」よりも「日航」の方がしっくり来ますからね。

*2:これも、文脈上「ANA」ではなく「全日空」にしました。理由は「日航」と同じです。

*3:機長・副操縦士航空機関士の3名による運航乗務員で運航される機材です。最近では、航空機の機械化・自動化の進展により、航空機関士を除いた2名で運航される機材が一般化しています。

*4:とはいえ、B747-100の就航当初は、パンナム日航も3-4-2アブレストで飛ばしていたような気がするんですけどね。

*5:というよりも、ボーイング最大のお得意様かも知れませんね。このまま行けば、B747-8旅客型のキックオフカスタマーになる事は必定です。ボーイング社内でも、「JALだけは買ってくれる」と思っている事でしょう。