五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

JALの旅行会社提携に見える不穏当な動き

 続いて、JALのプレスリリースからです。

JAL、旅行会社各社とツアー向けマイレージカードを発行!

http://www.jal.com/ja/press/0000470/470.html

 以前、「JALマイレージバンクたびカード」なるものに触れましたが、これはその各社版という位置付けでいいでしょう。一応、特典内容は各社毎に異なるようですが、基本的にはJALマイレージバンクたびカードに追随するでしょうから、この辺りの特典で落ち着く事になりそうです。

入会金
1,000円(但し、キャンペーン期間中は無料)
特典対象運賃
提携旅行会社発券のツアー運賃
初回搭乗ボーナスマイル
500マイル
フライト毎ボーナスマイル(往復)
国内線:500マイル/国際線:1,000マイル

 一見太っ腹に見える提携カードですが、ここには大きな落とし穴があるような気がします。それは、前回も指摘したツアー系運賃でのフライトマイル積算廃止です。何せ、国内線で往復500マイルという数字は、東京=札幌のフライトマイルに匹敵するものなのですから、これを単に付与しようなどという事はあり得ません。JALのマイル負債圧縮の為にも、何処かで帳尻を合わせる必要が出てきますから、その文脈において「ツアー系運賃はフライトマイル積算対象外にする」という議論が出てくる可能性は十分に考慮すべきでしょう。
 そう考えれば、今回の提携カード発行が

  1. 株式会社ジェイティービー
  2. 近畿日本ツーリスト株式会社
  3. 株式会社日本旅行
  4. クラブツーリズム株式会社

 と大手3社の揃い踏み*1というのも納得です。というのも、既にJALから「ツアー系運賃でのフライトマイル積算を廃止する」という内示を受けていれば、これら3社がその販売力を盾にツアーマイル制度の導入を要求しても不思議ではありません。国内線IITに関する限り、大手3社の販売寄与率はかなり高いでしょうから、JALとしても提携カードの発行を呑まざるを得なかったのでしょう。
 こうなると、更に疑問となる点が2つ出てきます。それは、

  1. IT5やGTなどのフライトマイル積算対象外運賃でもツアーマイルは積算されるのか?
  2. 現在のJMBお得意様番号を各社カードにも持ち越せるのか?

 という事です。前者については、GT利用が殆どとなるクラブツーリズムが提携カード発行に加わっている事から、JAL利用であればどんな運賃でも積算対象になるような気がします。しかし、後者については、決して楽観的な期待は出来ません。何故なら、JALマイレージバンクたびカードの時とは異なり、今回の提携カードはJALグループの傘から外れるところでの発行だからです。まさか、JTBで積算したマイルを日本旅行で使うなんて事も出来ないでしょうから、今回ばかりは各社毎に異なるJMBお得意様番号での発行となる危険性が大です。
 この事がどのような不便を齎すかというと、

  1. 利用旅行会社を絞らないとマイルが分散してしまい、その合算も出来なくなる。
  2. ツアーマイルを積算しようとすると、本来のJMBステータス(JGCを含む)に基づいた特典を受けられなくなる。
  3. 単純にカードの発行枚数が増え、その管理が煩雑になる。

 というものです。特に私が心配しているのは2番で、ツアーマイル積算時はファーストクラスチェックインカウンターもJALフライトキャディサービス無料特典も使えなくなるのではないかと戦々恐々しています。将来的には、ツアーマイルか特典かの二択を迫られるなんて事にもなるかも知れませんね。まぁ、これの根本的な解決方法としては、ツアー系運賃では上級会員向けの特典を利用できなくするというものがあるんですがorz

*1:所詮、クラブツーリズム近畿日本ツーリストの別働隊です。資本関係が切れても、顧客やノウハウは近ツリ時代からの引き継ぎですからね。