あと2つほど、小ネタにお付き合い下さい(つ´∀`)つ
○スカイマーク、点検忘れ9カ月運航・国交省、厳重注意へ
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060313AT1G1302A13032006.html
関空線や徳島線などで欠航が発生していたのは、これが原因だったんですね。それならそうと、きちんと自社ホームページで告知すべきものですが、スカイマークは見事に黙りを決め込んでいます。これがJALなら確実にトップページからお詫びの告知へとリンクが貼られているところなんですが、「きちんと事実を公表するだけJALの方がマシ」と言えるかとなると、ちょっと考えてしまいますね。運航キロ数当たりのトラブル発生件数は多分JALの方が上なんでしょうし。
しかし、今回はたまたま「亀裂の兆候」で済んでいますが、もしこれが上空で亀裂発生なんていう最悪の事態になっていたらと考えると、決して軽い話ではありませんね。しかも、修理漏れの原因が修理期限管理システムの入力ミスだというのですから、航空業界のIT企業であるスカイマークにはあるまじき話です。そりゃあ、AERAにも叩かれるってもんです。
○JALだけじゃない スカイマーク、IT流経営の危機
http://www.asahi.com/business/aera/TKY200603090215.html
まぁ、システム屋の世界では入力ミスなんてのはよくある話ですが、その程度の認識レベルを航空業界に持ち込んでもらっては困ります。情報システムの不具合とは異なり、航空機の不具合は死亡事故に直結するのですから。
取り敢えず、スカイマークは社員の勤務態度を監視する労力の15%でも航空機の運航に振り向けた方がいいでしょうね。「第二の創業」は、航空機の安全運航あってこそです。危険な航空機であれば、縦令片道5,000円でも乗客は集まりませんよ。
【2006-03-14 追記】
遅れ馳せながら、スカイマークがプレスリリースを公表しました。
○機体構造部材の修理期限超過について
http://www.skymark.co.jp/company/inverstor/060314.pdf
まぁ、プレスリリースではなくIR情報として公表している辺り、何とか事件を矮小化しようとしているスカイマークの卑劣な企業精神が見て取れますが、もっと卑劣だったのはその内容です。
2004年11月の当該機材引渡しに先立ち、機体所有者の指示により整備受託会社が機体構造部材に対して一年間の期限付き修理を実施致しました。この間にメーカーから恒久的措置の指示がある予定でしたが、この指示が所有者である航空会社の受託整備会社のみに連絡されたため、使用者であるスカイマークは恒久的処置必要性の理解はありましたが、12ヶ月の期限内での適切な対応が出来ておりませんでした。
ア、ナルほど。悪いのはスカイマークではなく受託整備会社、と。
……って、ふざけるなぁ!(ノ ゚Д゚)ノ ==== ┻━┻
ロイヤルブルネイ航空から機材を引き継いだ時に、当然ながら恒久的措置の指示もスカイマークの整備担当者に引き継がれています。こうした申し送り事項がスカイマークでシェアされていなかったなどというのは、航空会社としてもIT企業としても論外です。
事実確認後の判断と処置は適切であり、現在、航空機は修理完了し、安全に運航できる状態となっております。更に今後再発防止のための高度な情報管理を現在構築中であります。
どうやら、スカイマークにおける「高度な情報管理」ってのは、航空機の修理完了まで事実を隠蔽し、公表する時も出来るだけユーザーに目立たないように掲載する事を言うようですね。しかも、そこで目立たないように事実の改竄までしているのですから、もう言う事はありません。現場は兎も角、本社の連中は反省ゼロだっていう事がよく分かりました。まぁ、このくらい厚顔無恥にならなければ、とても新北九州空港に就航するなどというブラフは打てませんって。
【2006-03-14 追記】
今回の事件に関して、PAXさんが耐空証明について分かり易くまとめてくれています。
○PAXのひとりごと:「耐空証明」の観点から
http://blog.goo.ne.jp/boeing777-346er/e/8c800f98bb8b384e8d78a640be6fa828
要するに、国土交通省が自ら実機を審査しない代わりに、航空会社が耐空証明の内容について責任を持つという事のようです。言うなれば、耐空証明はPSEマークの航空機版みたいなものですね。