五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

エアバスA380が再度納期遅れへ

 もう1つ、時差ニュースです。

エアバス、超大型機「A380」の納入を再延期

http://business.nikkeibp.co.jp/article/reuters/20060614/104282/

 何処かのシステムベンダーかと見紛う納期延期ですね。特に姑息なのが、この部分です。

 1号機を発注したシンガポール航空への納入は年内に実現する見通しだが、2007年以降、引き渡しを順次6─7カ月延期する。

 要するに、一部機能だけ見切り発車でカットオーバーという、へっぽこベンダーによくある手法の劣化コピーです。まぁ、見切り発車出来るだけまだマシという見方もありますけどねorz
 このような見切り発車においては、先行稼働部分は得てしてバグだらけで、ユーザーは本番運用でベンダーのテストやデバッグに付き合わされるという事になります。しかも、本来はベンダーが自己負担すべきテスト費用を全てユーザーが拠出しなければならないというのですから、ユーザーにとっては踏んだり蹴ったりです。今回の場合、シンガポール航空がまさにそのババを引いた形で、「第2次本番」や「第3次本番」の納入までの間、シンガポール航空A380はさながらエアバスの本番環境テストと化す事でしょう。
 願わくば、シンガポール航空による試験飛行において致命的な欠陥が露呈しなければいいのですが、納期を延期するほどの不具合をエアバスが抱えているという事であれば、却って致命的な欠陥を洗い出さなければならないという事です。しかし、安全停止という方法を採り得ない航空機においては、致命的な欠陥の露呈即ち墜落事故という事になり、下手すると日航ジャンボ機墜落事故を上回る大惨事になる危険性すらあるのです。ここはやはり、A380の運航開始延期というのが最もスマートな結論なのでしょうが、それはエアバスシンガポール航空の安っぽいプライドが許していないんでしょうね。
 まぁ、何はともあれ、このグダグダがA380で発生していたというのは、日本人にとってはまだ幸運であったというべきでしょう。もし、A380ではなくB787でこのグダグダが発生していた場合、本番環境テストで人柱になるのはJALANAかの何れかになっていましたからね。或いは、B747-8で同種のグダグダが発生しても、やはりJALANAが人柱になってしまいます。航空業界においては、ラガードくらいがちょうどいいのかも知れません。