五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

JAL・ANAが11月以降のダイヤ計画を発表

 昨日のプレスリリースについて書いている内に、今日のプレスリリースまで出てきてしまいました。

JAL、2006年度下期より、国内線に土日ダイヤ「週末BIG」を導入!

ANA 11月国内線ダイヤを申請 〜沖縄(那覇)空港のネットワークの充実を図ります!〜

http://www.ana.co.jp/pr/06-0709/06-111.html

 ANAについては、主に先島直行便の廃止による路線集約であり、詳細については以前触れた通りです。しかし、このダイヤを改めて見るに付け、

  • 県内輸送も視野に入れた石垣線
  • 本土からの乗り継ぎ客だけが頼りの宮古

 という色付けがより鮮明になったように思えるのは、果たして私だけでしょうか。宮古線なんて、午前中にもう2便や3便あったって、決して罰は当たらないと思うんですけどね。



 さて、ANAについて一通り言及した所で、漸くJALの下期ダイヤです。冬ダイヤが10月ではなく11月からのスタートになったのは地球温暖化の影響なのかも知れませんが、従来も一部路線で実施されていた曜日別のタイプチェンジを「週末BIG」と命名して制度化した事は特記すべきです。あとは、B737-846の導入時期及び導入路線が具体的に公表されたのも、大きなポイントでしょう。
 日本における国内線は、僅かな例外を除き「全日同一機材・同時刻」という慣習があり、日較差の大きな波動需要には最適化されていませんでした。平日の需要に合わせた機材にすれば土休日の取りこぼしが増え、土休日の需要に合わせた機材にすれば平日は空気輸送になるというジレンマがあったのですが、曜日によって機材を柔軟に変更する運用が定着すれば、JALの収益性は少なからず改善される事でしょう。今回は、B767-346→A300-B4/622R→B777-246B777-346というごく限定された範囲での玉突きタイプチェンジだったのですが、この「週末BIG」の有効性が実証されれば、来年4月以降「平日はB737-846、土休日はB777-346」といった大胆なタイプチェンジが見られるようになるのかも知れません。
 このような曜日別機材変更は、運航現場において暫くは混乱の原因になる危険性があります。しかし、航空業界から他業界に目を向ければ、こうした曜日別ダイヤの設定は既に常識となっています。大都市近郊の鉄道など、平日と土休日とでは本数が違えば停車駅も違います。平日と土休日とでは旅客の需要が違うのですから、それに応じたダイヤを設定する事が、顧客志向のサービスとなるのと同時に、鉄道会社にとっても収益性を高める事になるのです。幾ら「週末BIG」の導入によって機材繰りが複雑化するといっても、国際線の機材繰りに比べれば、その複雑度はたかが知れています。そうでなくても、お家騒動や内輪揉めで「顧客無視」と言われているJALなのですから、ここは「週末BIG」の全面展開によって顧客志向である事を内外に呈示し、以て収益性の改善に努めるべきでしょう。
 それにしても、B767A300-600Rのタイプチェンジって、クラスJに限ってみれば却って座席数が減少しているんですが、この辺どうにかならないものでしょうかね。B777-246/346のクラスJはL2/R2ドアを超えてBコンパートメントを浸食した事ですし、A300-600Rにおいても同様のクラスJ増席はあっても然るべきだと思うのですが。「クラスJは満席なのに普通席はガラガラ」なんて路線、現状でも結構あるはずですよ。

 因みに、報道が先行しているJ-AIR名古屋小牧=北九州線の減便については、こう記載されていました。

名古屋(小牧)発着の路線構成見直しを行い、福岡線を開設します。

 北九州から福岡に鞍替えかよm9(^Д^)プギャー
 ここまで来ると、名古屋=北九州線の採算性云々よりも、単なるJ-AIRによる新北九州空港への当て付けに見えてきてしまいますね。まさか、北九州線を減便したその足で福岡線を開設するとは、アンチ新北九州空港の第一人者である私でも全然予想できませんでした。まぁ、ここまで分かり易い福岡転進を見るに付け、J-AIRは余程新北九州空港で厭な目に遭わされたと考えるのが正解なんでしょうね(;´Д`)



2006-09-01 追記】
 J-AIR自身のプレスリリースで、その詳細がハッキリしました。

ジェイ・エア 11月からの路線便数計画を発表

http://www.jair.co.jp/about/news_fr_060831.html

 中日新聞からもニュースソースが出ています。

○名空港に福岡便新設 ジェイ・エア 11月から

http://symy.jp/?z-jウェブ魚拓+ウェブ精米)

 名古屋中部=福岡線の減便(8往復/日→6往復/日)と併せて考えれば、いよいよ短距離路線は小牧回帰という傾向が鮮明になってきたと考えるべきなんでしょうね。何だか、10年前の伊丹・関空を見ているようで、かなり心配ではあるのですが。取り敢えず、ターミナルビルからしてほぼCRJ専用になっているというのが唯一の救いです。