五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

日航機が関空着陸時にテールスキッド接触

 という事で、先週の積み残しニュースを消化しておきます。

日航機が滑走路に接触、けが人なし…機長「着陸時、違和感」

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200710050041a.nwc

 一応、「尻餅」の部類には入るのでしょうが、あくまでも胴体本体ではなくテールスキッドが接触しただけですから、重大事故の類ではありません。しかし、日航ジャンボ機墜落事故伊丹空港での尻餅事故に端を発した事を考えれば、各種報道がJALの尾部接触にナーバスになるのは致し方ありません。福島空港でテールスキッドを滑走路中心線灯にジャストミートさせてみたり、日航ジャンボ機墜落事故からちょうど20年という節目の日にDC-10で福岡空襲を敢行してみたりと、JALの事故やトラブルは、その程度よりも時期や内容のKYぶりで批判を拡大化させてしまうケースが多いような気がしてなりません。実に勿体ない話です。



 因みに、今回テールスキッドを接触させたB737-800や、以前福島空港でテールスキッドを滑走路に接触させたB767-300は、何れも「ストレッチ型」と呼ばれる胴体延長機材です。この種のストレッチ型には、B777-300やA340-600なども含まれ、最新型の旅客機であるB787においても、やはりストレッチ型であるB787-9が存在し、シンガポール航空などが確定発注を入れています。当然、胴体が長くなればなるほど尻餅事故も起きやすくなるのですが、今回のケースでは、B737-846の運航乗務員は恐らくB737-446から移行してきている事でしょうから、つい今までと同じ調子で機種を引き上げてしまったのではないでしょうか。一応、B737-400自体もストレッチ型なのですが、B737NGと呼ばれる新世代のB737-800は、B737-400よりも更に胴体が長くなっています。その長くなってしまった分が、テールスキッドの接触を引き起こしてしまったのでしょう。
 取り敢えず、今回の運航トラブルに際しては、B滑走路が供用開始されていたからこそ他便への影響が殆どなかったという事について、もっと広く報道されるべきでしょう。関西国際空港は、成田国際空港に次ぐ日本の第2の玄関ですから、その主要空港が45分も閉鎖されてしまっては一大事です。ましてや、今後ストレッチ型機材はどんどん増えてくるのですから、テールスキッド接触の事例も現在より多くなる危険性があります。諸外国においては、ちょっとやそっとの運航トラブルで空港そのものが一時閉鎖に追い込まれるなどという事は殆どありませんが、日本においてはつい5年前まで一時閉鎖のリスクが常に付きまとっていたのでした。そして、成田空港の場合、A滑走路で一度テールスキッド接触など発生しようものなら、その瞬間にB747-400が上空待機やダイバートを食らったりしてしまうという状況が、今もなお続いているのです。そういう意味では、国際水準を確保する為にも、関空2期は避けては通れない道だったというべきでしょう。
 ……って、こんな事を書いているから、またぞろ泉ズリアって呼ばれるんですよね(;´Д`)