イギリスは、基本的にカード社会です。地下鉄駅の自動売券機*1から田舎町のパブに至るまで、ありとあらゆる所でクレジットカードを利用できます。現在、私の世帯で持っているJALカードは、私のものだけがDC-VISA-TOP&である他は全員がJCB-OPなので、イギリス旅行中の殆どの決済を私のカードで行いました。その結果、今月請求額が380,117円という凄い金額になってしまいましたが、これでキッチリ3,800マイルを稼ぎ出しているんですから、何だかんだで立て替え払いはかなりトクなものです。
そして、この時の請求明細で面白かったのが、利用日や加盟店によって細かく変動する為替レートです。どうやら、今回の旅行中は全般的に円高基調だったようで、初日には1ポンド=165.68円だったのが、最終日には160.27円まで下がっています。これを旅行前に全て現金で両替していたら当初のポンド高が全般に適用される事になっていたんですから、今回はかなり円高の恩恵に与れたと言えそうです。
そう考えてみると、未だにカード決済できる店が少ない日本は、外国人旅行客にとってかなり不便であると言えます。個人経営の居酒屋でカード決済できる事は先ずありませんし、鉄道の乗車券やファストフード店でもカード決済なんて話は滅多に聞きません。最近でこそ、JR駅の一部やスーパーマーケットにおいて国際ブランドのクレジットカードで決済できる例が増えましたが、EdyやSuicaなどの電子マネーが急速に普及しつつある日本においては、カード決済よりも電子マネー決済の方が優先されている感があります。
現在、日本政府観光局は「ビジット・ジャパン・キャンペーン」などと称して訪日外国人旅行者数1,000万人を目指しているそうですが、外国人旅行者数を増やしたいのであれば、カード決済の普及率向上を1つの具体的施策に組み込むべきでしょう。一万円札のような高額紙幣が普通に出回っているのは世界の中でも日本だけ*2であり、外国人は高額決済を現金で行うという習慣がありません。それだけに、色んな所でカード決済できるようになれば、手持ち無沙汰な外国人旅行客でも消費金額が多くなり、観光収入の向上にも資する事になります。
旗だけ振って実績を上げられない日本政府観光局を余所に、ヨドバシカメラやマツモトキヨシでは銀聯カードへの対応を始めるなど、外国人旅行者のキャッシュレス決済へ真面目に取り組んでいます。しかし、本来はこうした動きを日本政府観光局が音頭を取って進めていかなければならないのであり、ここに日本の「観光赤字」の根源が見え隠れしているように思えます。JALカードやANAカードとも連携すれば、日本人旅行客の消費拡大にも繋がると思うんですけどね。