迷走を続けていた日本航空の提携先乗り換え問題ですが、結局元の鞘に収まる事になりました。
○JAL、アメリカン航空との提携強化を決定、独禁法適用免除を申請へ
http://press.jal.co.jp/ja/release/201002/001457.html
これにて、私が以前の記事で危惧していた完全なる破滅は一応回避する事が出来ましたが、これでいよいよ「3年後の再生」に向けて一切の言い訳が出来なくなってしまいました。稲盛和夫会長が大事だと言い切った「昔からの付き合い」をJAL自身の再生に活かす事が出来るかどうか、これからが見物です。
因みに、JALがワンワールドに加盟したのは2007年4月1日ですから、まだ3年も経過していない事になります。しかし、ワンワールド設立メンバーであるアメリカン航空やブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空とは、既に10年以上前からマイレージ等で提携していて、航空アライアンスの歴史を考えれば十分に「昔からの付き合い」と言えるレベルです。JALがワンワールドに加盟したのも、こうした個別提携の歴史を踏まえてのものですから、経営問題を理由に鞍替えするのは、実に危険な賭けであると言えるでしょう。
ともあれ、これで太平洋線のATIは確実に通るでしょうし、東京=ロンドン線の共同化も進めやすくなります。国内線で調教して国際線で搾り取るという従来のビジネスモデルだけでなく、国際線単体で見た場合でも競合他社に見劣りしないサービスを提供できるかどうか、これからがワンワールド残留の真価の見極め所です。そして、ここで真にJALが国際的な競争力を確保できるようになるのであれば、公的資金を注入する価値もあるというものです。