五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

独身税

 先日、私の同僚同士が係内で職場結婚しました。まぁ、2人してデスマに填っている間にくっついてしまったというIT業界にありがちなパターンではありますが、現在進行形をまざまざと見せ付けられるのは初めてでしたから、色々と勉強にはなりました。当人達曰く「必死に隠していた」との事ですが、残念ながら周囲にはモロバレというトホホな状態で、それでも後ろ指を指されなくて済むのが、やはり公務員の公務員たる所以なんでしょうね。
 さて、流石に夫婦同じ職場というのはマズいという事で、今回は新郎の方が他課へ異動となり、私がその後釜に座る事になりました。私の後釜には今年入庁の新人男性職員が配属される為、係内の男女比には変化がありません。しかし、女性職員4名で見ると、こんな状態です。

  1. 40代後半、下の子も今年から中学生。
  2. 30代後半、結婚3年目でまだ子供なし。
  3. 30代前半、現在結婚準備中。
  4. 20代後半、この度目出度く職場結婚

 2、3、4の女性職員については、いつ妊娠・出産してもおかしくない状態ですし、極端な話3人が同時に産休に入る事すらあり得ます。当然、誰かが自重して……なんて事を考えるのかも知れませんが、私はその種の自重は余り望ましくないと思っています。



 本来、子作りや子育てのタイミングは、各個人において純粋に固有であるリプロダクティブ・ライツの根幹であり、職場環境その他によってリプロダクティブ・ライツが制約を受けてもよいとする如何なる根拠も存在しません。女性が「産みたい」と思った時こそ子作りの最適時なのであり、その最適時における子作りや子育てを如何にサポートできるかこそ、職場環境における「子作り支援」「子育て支援」であり、ひいては少子化対策そのものでもあるのです。
 どんな職場においても、繁忙期や閑散期というものは必ず存在します。この繁忙期は、日単位や月単位、或いは年単位など、色々と捉え方があります。しかし、ヒトの妊娠期間である十月十日という長さを考えると、何処でどう妊娠・出産しようとも、月単位や年単位の繁忙期には必ず引っ掛かってしまいます。つまり、「繁忙期を避けて子作り」なんて事は絶対に無理ですし、閑散期を待って子作りしようとするなら、そんなタイミングは永久に訪れない事になります。
 人並みに結婚し、子作りや子育てを迎える人であれば、誰しも職場に迷惑を掛ける事態は発生します。しかし、それは「お互い様」というものであり、誰かが出産や育児で欠けた時は、同僚がその穴を埋めてあげればいいのです。勿論、それが長期的になるケースであれば、本人には産休や育休という措置がありますし、その代替職員を採用する方法もありますが、「子供が風邪を引いた」であるとか「子供の卒業式に出席する」であるとか、そういった一時的なものも含めて、職場全体でフォローやサポートをする事、これこそが真の「子育て支援」なのです。

 結局、職場における子育て支援とは「ギブ&テイク」の積み重ねなのですが、私のような独り者は、子育て支援においては「ギブ&ギブ」になってしまいます。結婚における寿貧乏みたいなものですが、これは一種の「独身税」だと思っています。時に、産休や育休が重なってしまった場合、残された独り者には過大な負担が掛かる事になってしまいますが、それを甘受し、出産や育児の無事を祈る事こそ、独り者のあるべき姿だと思っています。
 私は、全国に名の知れたヲタ、或いは全国に名の知れた鬼畜アンサーとして活躍する代償として、既に人並みの幸福を享受する権利を放棄しました。最早人並みの人生を送る事は出来ないと思っているからこそ、他の人が結婚し出産していく過程は、それがどんなに自己の負担になるものであっても、無条件に応援したいのです。それこそが、独り者として生きていく覚悟を決めたヲタとしてのあらまほしき姿でしょう。