さて、私が航空業界から離れている間に、予定調和の事件が発生しています。
○プレスリリース:「神戸‐茨城線」の運休について
http://www.skymark.co.jp/ja/company/press/press100624.html
これは、ある意味予想通りと言うべきでしょう。既に羽田空港を拠点とする中堅キャリアとなってしまっているスカイマークにとって、敢えて茨城空港のラインを残しておく必要はないからです。以前にも書きましたが、雨後の筍の如羽田空港を運航拠点とするLQCが発生してしまった今となっては、茨城空港の開港は遅きに失したと言うべきなのでしょう。
とはいえ、スカイマークの茨城就航が無意味だったかというと、私はそうは思いません。というのも、一時的にでも定期路線を就航させたという事で、スカイマークは茨城県における相当程度の宣伝効果を得たからです。しかも、撤退の理由を全面的に茨城県や航空自衛隊に押し付けているのですから、不採算による撤退よりもマイナスイメージは緩和されます。
となれば、今後茨城県が取り組むべきは、「チャーター便運航会社としてのスカイマーク」に茨城空港を積極的に利用してもらう事です。茨城県の人口は約296万人、福島県浜通りを加えれば350万人ほどですから、ツアー企画を組む為の商圏としては決して小規模ではありません。空港単体としての競争力が低くても、現地アクセス/イグレスや宿泊施設等と組み合わせた「パッケージ」としてなら、或いは成功の可能性もあります。茨城県が「オフラインなら就航してもらえる」という可能性をどれだけ活かすかに、今後の茨城空港の運命が懸かっているでしょう。