五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

ここ最近のJAL1322便に見る関空利用者の変化

 さて、私にとってはオナジミサンとなりつつあるJAL1322便ですが、この関空→羽田のJAL最終便を使い始めてから、今年で5年になりました。私が初めて関空→羽田を利用した時、この便はJAL120便という便名でした。その後、JAL348便だった時代を経て、現在のJAL1322便に至るのですが、旧JALの特売りきっぷ時代から、特便割引の運賃は1万円前後と、新幹線に比べると大分安くなっていて、旅費を安く上げながらマイルも貯められるという一石二鳥です。
 そんなJAL1322便ですが、今年に入ってから微妙に客層が変化しています。今年に入ってからも、私は1ヶ月から2ヶ月に1回のペースでJAL1322便を使い続けていますが、今年の4月頃からなのか、私がJAL1322便を利用しようとすると、色々な所で違和感を感じるようになってきました。では、どんな所に違和感を感じるかというと、

  1. 関空のJALチェックインカウンターでの待ち時間が長くなった。
  2. 手荷物検査場で必ず行列が出来るようになった。
  3. サクララウンジの混雑率が上がった。
  4. 空ヲタ・マイルヲタ・修行僧以外の客層が目立って増えてきた。
  5. 全般に、乗客のマナーが悪くなった。

 という点です。特に、手荷物検査場の混雑や、乗客のマナーの悪化については、今年に入ってからその変化が顕著です。スカイマークとのコードシェアも、相次ぐJALのトラブルも、これらの変化とは関係がなさそうなだけに、その原因が気になる所です。



 つい1年ちょっと前、JALスーパーシートが廃止されてクラスJが導入されるまでの頃は、JAL348便/JAL1322便は、色々な意味で「分かっている人」御用達の便でした。伊丹便と比較した時の特便割引の安さや、国際線機材での運航率の高さ*1などで、同じく関空→羽田の最終便であるANA150便と同様、2ちゃんねる航空板やAirTariffなどの航空専門掲示板などでは割と名の知れた存在でした。というのも、国際線機材で運航される国内線では、ビジネスクラス座席が普通席として販売される*2事が多く、たったの1万円でビジネスクラス体験*3ができるとあって、ビジネスクラス座席の指名買いが盛んでした。その為、空席紹介したらガラガラでも、ビジネスクラス座席だけは全て指定済みという事もままあり、実際に搭乗してみてもビジネスクラス区画だけ人口密度が大きく異なるのは日常茶飯事でした。
 しかし、2004年6月にクラスJが導入され、それと前後してJAL1322便に充当される国際線機材がDC-10-40(コンフィグ:G35/G44/G45)にほぼ固定されてからは、「分かっている人」が次第にJAL1322便から離れていきました。わざわざ関空発の最終便を狙わなくても、1,000円の追加料金を払えばそこそこの座席に有り付けるようになりましたし、旧JASレインボーセブンB777-289/コンフィグ:W91)運航便を狙えば、旧スーパーシートに有り付く事さえ出来ました。DC-10-40のビジネスクラスレインボーセブンスーパーシートとでは、後者の方が圧倒的に快適性は上です。これでは、わざわざ関空までJAL1322便に乗りに行く必然性も必要性もありません。
 そして、今年の4月から、JAL1322便のデフォルト機材がB777-200/300に変更されました。そこには、最早「国際線機材」という付加価値さえなく、何の変哲もない最終便でしかありません。とは言え、これらの機材ならクラスJが62席確保される*4為、クラスJを39席しか確保できないDC-10-40に比べれば、ありがたい機材ではあるのですが。

 何はともあれ、ここ1年近くの間に、JAL1322便の特殊性はかなり薄れました。一方、純粋に東京行き最終便としての存在が見直されたのか、今までは伊丹便しか利用していなかったような客層が、このJAL1322便を利用するようになりました。空ヲタにとっては寂しい話ですが、関空及び関空便の発展という意味では、寧ろ嬉しい話でもあります。
 しかし、伊丹からの乗客のシフトは、必ずしもプラスの効果だけを齎すものではありませんでした。元々、羽田=伊丹の利用客はJGCないしJGPといった上級会員の比率が高く、それに比例するかの如くマナーの悪い客の比率も高いものがありました。特に、月曜朝のJAL1500便や金曜夜のJAL1529便は、マナーの悪い乗客を観察するには打って付けの便で、

  • チェックイン締め切り時刻までに搭乗手続きをしない。
  • 出発時刻になっても、平然とサクララウンジでビールを呷っている。
  • 離着陸時であっても、シートバックやレッグレストを元に戻さない。
  • 着陸後の地上滑走中に早々と席を立ち、出口へと押し寄せる。

 といった迷惑行為のオンパレードです。JALの地上職員や客室乗務員も、これらの迷惑行為に毅然とした態度を取れればいいのですが、如何せん相手が上級会員だからなのか、実質的に見て見ぬふりとなっているのが現状です。
 こうした乗客が関空に流れてきたものですから、クラスJサクララウンジも常に満席、シートバックやレッグレストを元に戻さないのは当たり前、羽田でスポットインする頃にはL1ドアに長蛇の列が出来ています。そこには、最早空ヲタサンクチュアリだったJAL1322便は存在しません。果たして、JAL1322便にとってこれが幸福だったのかどうか、関空厨の私はふと考えてしまうのでした。



 因みに、土日の伊丹行き始発便であるJAL1501便は、ビジネス客や上級会員の姿は殆どなく、機内は至って牧歌的です。空ヲタ向け要素こそありませんが、金曜日のJAL1529便と乗り比べてみると、「これが本当に同じ路線なのか?」と疑ってしまうくらいです。2006年4月から機材がB777-346に変更されるものと思われますが、ビジネス客にも空ヲタにも相手にされない1501便は、だからこそ今と変わらない牧歌的な雰囲気を維持し続ける事でしょう。

*1:往時のJAL348便は、JAA(日本アジア航空)のB747で運航される事が非常に多く、更に以前となると、B767-200モノクラス機材(コンフィグ:A13)での運航がメインでした。但し、この種の便にはイレギュラーが付き物で、直前の機材変更もよくありました。
また、2003年から2004年に掛けて、国際線機材の充当が最終便のJAL348便/JAL1322便ではなく、その1便前のJAL346便/JAL1320便になっている時期がありました。この時、JAL348便/JAL1322便に充当されたのは、何の変哲もない国内線機材のB767-300でした。

*2:JALやANAの予約クラスでは、普通運賃の場合、国内線のスーパーシートはJ、国際線のビジネスクラスはCです。クラスの格付けでは、Jクラスの方がCクラスよりも格上である為、Cクラス用の座席をJクラス用に売る事が出来ず、結果としてビジネスクラス座席を国内線では普通席として販売する事になります。但し、これはあくまでも原則であって、機材や路線によっては、ビジネスクラス座席がスーパーシートとして販売される事もありました。
因みに、国際線ビジネスクラス運賃の国内線区間ではスーパーシートに搭乗する事が出来ませんが、この理由はビジネスクラス座席が普通席として販売されるのと同じです。JALのクラスJについても、サービス開始当初は同様の運用とする予定でしたが、流石にJALがこれはマズいと考えたのか、現在では通し運賃ならクラスJに乗れるようになっています。
http://www.jal.co.jp/other/info2004_0427.html
http://www.jal.co.jp/classj/infomation.html

*3:但し、あくまでも体験できるのはビジネスクラスの座席だけであって、手荷物や機内食などのサービスは、エコノミークラス座席の普通席と何等変わる所はありません。

*4:B777-246(コンフィグ:W11)もB777-346(コンフィグ:W21)も、クラスJの区画は完全に同じ座席配列で、当然ながら座席数も同じです。