五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

スターフライヤーの気になる初動

 私が午前中に速報で流した「スターフライヤー初便は1分で満席」というニュースは、その後大手ニュースサイトも触れる所となりました。

スターフライヤー予約開始、初日始発は約5分で完売

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06011626.htm

 この5分というのは公式発表のようですが、実際には1分でインターネット上は満席が表示されています。こういう所は、もっとスターフライヤー側が誇大広告に出てもいいところなんですけどね。
 そんなスターフライヤーですが、13:00には3月16日から1週間分の就航記念運賃も売り出しました。春休みに9,900円という運賃で売り出した事もあってか、初動はかなり激しく、発売から30分でめぼしい便は殆どが満席となりました。私はというと、13:01に3月18日・19日での往復を確保できています。しかし、これで本当に乗れるのかどうかが判るのは、1月18日のユーザー判定会議で追加テストが発生しない事を確認てからなんですけどね。
 しかし、第1回スターフライヤー祭りとも言うべき初売りの日にあって、初動が非常に鈍い便がありました。言うまでもなく、日付を跨ぐ最終便です。朝便や夜便が往復とも見る見るうちに埋まっていく中、ポツンと○表示となっている最終便には、非常に強い違和感がありました。そして、それは私が危惧していたスターフライヤーとユーザーとのアンマッチ」の予兆そのものなのです。



 ここで、念の為スターフライヤー最終便の時刻を提示しておきます。

北九州→東京(羽田)
SFJ092 KKJ 2330 → HND 0055+1
東京(羽田)→北九州
SFJ093 HND 2350 → KKJ 0115+1

 国内線の時刻表で翌日着を意味する「+1」が出てくるのも珍しいのですが、残念ながら公式な時刻表ではそれぞれ「2455」「2515」と表記されています。1日は24時間だっちゅーの( ´゚д゚`)
 今日は、仕事の合間を縫って、就航記念運賃の空席状況を逐次チェックしていました。そして、要所要所でログを取っていた*1のですが、発売から2時間経った所で、最終便の満席は1日も出ていませんでした。この時点では、3月17日(金)・3月19日(日)のSFJ093便が残席1桁となっていましたが、それ以外は軒並み空席だらけで、全然焦る必要はなかったという事です。
 最初に満席が出た最終便は、3月17日(金)のSFJ093便で、発売開始から約4時間後の事でした。その後2時間で3月19日(日)のSFJ093便も満席になり、夜には3月21日(火・祝)のSFJ093便も満席となりました。これらは、何れも埋まるべくして埋まる日付であり、仕事や遊びでギリギリまで東京に滞在する向きが利用するものでしょう。
 北九州行きの最終便が何とか満席便を出す一方で、東京(羽田)行きの最終便は、発売開始から12時間以上を経た現在も、満席便は1便もありません。辛うじて、3月17日(金)のSFJ092便が残り3席(……と書いている途中に残り1席)となっている他は、全て10席以上の空席が残っています。この日にしても、発売開始から2時間で△となってからは停滞気味で、発売開始から6時間経った時点でも△のままでした。しかも、この6時間経過時点では、それ以外の日に出発するSFJ092便は全て○だったのです。現時点では△となっている日がSFJ093便よりも多いものの、初動の鈍さという点ではSFJ093便よりも深刻なものがあります。



 今日1日の動向を見ての私の所感は、スターフライヤーの深夜便は北九州アウトバウンドでしか受け容れられないだろというものです。勿論、乗り合いタクシーの詳細が公表されれば、ある程度はSFJ092便も埋まっていくのでしょうが、自家用車利用者が大半を占める*2であろうSFJ093便と比べれば、その需要の差は一目瞭然です。

  1. 就航直後のご祝儀相場
  2. 9,900円という格安運賃
  3. 春休み期間中(=競合他社はボッタクリ運賃)

 というお祭り騒ぎのジェットストリームアタックにおいてなおこの初動の鈍さという事であれば、ご祝儀相場が退潮するゴールデンウィーク明け以降、なおの事SFJ092便が空気輸送になる危険性が高いのです。
 スターフライヤーが東京アウトバウンドで受け容れられていないのは、深夜便だけではありません。羽田空港を06:05に出発するSFJ071便も、やはり初動は非常に鈍く、3月18日(土)以外については発売開始から12時間が経過してもなお10席以上の空席があります。この日にしても、発売開始から2時間少々で漸く満席に漕ぎ着けたくらいで、それ以外の日については、発売開始から6時間後までは全日とも○だったのです。明らかに公共交通機関が利用できない最終便とは異なり、羽田06:05発であれば、空港周辺地域からは十分間に合うにも拘わらず、この為体なのです。
 こうなると、スターフライヤーの経営戦略は、特に東京アウトバウンドに対するアプローチについて、近々に全面的な見直しを迫られる可能性が大です。取り敢えず、SFJ071/092便の時刻変更や運休は、相当可能性が高いものと思って良いでしょう。やはり、東京アウトバウンドの乗客については、新北九州空港側だけでなく、羽田空港側でも地上交通機関との連携をお膳立てしてあげなければならないのです。
 まぁ、この初動は確かにご祝儀相場としては非常に心配な実績なのですが、スターフライヤーが元々ビジネスユース指向という事を考えれば、実は余り心配しなくてもいいのかも知れません。ビジネスユースであれば、直前になってから出張が決まるという事もままありますから、そういう需要の受け皿になり得るという点では、空気輸送になりかねない深夜・早朝便にも、一定の存在価値はあるというものです。但し、その空気輸送がスターフライヤーの体力の範囲内であればの話ですけどね。
 何れにしても、スターフライヤーの経営戦略が本当に利用者とアンマッチしているのか否かは、便毎のロードファクターユニットレベニューが出揃わない事には、何も判りません。SFJ092/093便がカッチリと数字を叩き出すというのであれば、それはそれで1つのビジネスモデルとして認められてもいいでしょう。尤も、乗客が株主優待運賃や包括割引運賃ばかりだというのでは、とてもお話になりませんけどね。

*1:仕事しろよ>ヂヴン

*2:というよりも、空港連絡バスが使い物にならないだけです。