五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

スターフライヤー関連ブログ拾い読み

 という事で、こちらも相変わらずの時差進行だったりしますが、気になるブログ記事があったので1つだけ。

○■□ほーどー飛行機□■ : スターフライヤー 中間決算

http://pressair.exblog.jp/4915012

 pressaviationさんは新北九州空港スターフライヤーにかなり好意的な方とお見受けしましたが、このデータの読み方は如何なものかと。

スターフライヤーJALともに採算ラインぎりぎりの
利用率なようだが、飛び抜けて悪い訳ではないと思う
もちろん、JALほどの体力の無いスターフライヤー
楽ではないと思うけど、
十分共存して行ける数字じゃないかな

 両社とも採算ラインを大きく下回っているんですけどね。



 更にツッコミは続きます。

JALは使用機材A300とMD90の使い分けで上手く利用率を
上げているんじゃなないかな〜
これが全便MD90になっちゃうとちょっと困る
MD90=小さい飛行機となって敬遠されちゃう、
だからお客にとってワイドボディーA300の存在感は
絶大なのです!

 使い分けどころか、11月以降はMD-90クラスJ換装で全便がA300-600Rによる運航なんですけどね。唯でさえ新北九州空港のご祝儀相場が退潮している中、元々利用者の少なかった昼間便を機材拡大しようというのですから、これはハッキリ言って自殺行為に他なりません。B767-346MD-90にダウンサイジングして生き存えている山口宇部線とは見事なまでに対照的です。
 更に言うと、JALMD-90スターフライヤーA320よりも乗客定員が多いんですね。MD-90クラスJ換装済みコンフィグであるN12の乗客定員は150名ですから、スターフライヤーの144名よりも6名多くなっています。双方のモノクラス標準仕様を比較しても、MD-90A320ともに166席と互角です。MD-90を小さい飛行機だからと敬遠していると、新北九州空港JALに敬遠される事になるのです。
 尤も、航空会社が撤退を望む路線において、わざと機材拡大→搭乗率低迷というマッチポンプを仕掛けるのはよくある事です。JALグループが新北九州空港をどう捉えているかは、5月における羽田線の減便や11月における名古屋線の減便などで既に見えていますから、羽田線の年間搭乗率を40%前後まで落とし込んで、来年4月にキッパリと撤退という可能性までありますね。昨年度はJALグループ羽田発着路線でぶっちぎりの搭乗率を叩いた北九州線も、今年は搭乗率ワースト3の常連に落魄れています。JALグループが何等対策を打っていない事からして、これは既に撤退が視野に入っているものと考えて間違いないでしょう。まぁ、北九州市日産自動車が旧JAS時代の恩を仇で返したツケです。



 もう1つツッコミです。

例えばスカイマークが撤退した鹿児島ー羽田線
なんてのはどうなんでしょう?
北九州市や福岡県はいい顔はしないし
ある程度の北九州空港発着を融資の条件にしているはずなので
簡単にもいかなかもしれないけどね。

 補助金は融資じゃねえ!(ノ ゚Д゚)ノ ==== ┻━┻
 というのはさておき、地元自治体を無視して新規路線開拓に突っ走るというのは、スカイネットアジアが過去に歩んできた道です。その結果、今ではすっかりANAの別働隊として長崎や熊本でも活躍するに至っています。下手に北九州発着路線に拘泥すると、新規路線では羽田線以上の苦戦を強いられる事になりますから、寧ろ北九州を捨てる路線に走るのは当然でしょう。
 しかし、ここで鹿児島線に飛び込むというのは、些か危険な選択です。というのも、羽田=鹿児島線は既にJALANAとも頻繁に大型機が飛び交う路線であり、スターフライヤーが3往復や4往復くらいねじ込んだ所で、シェアを奪取できる可能性はかなり低いからです。更に言うと、鹿児島で商売するにはいわさきグループのお墨付きが必要ですから、スターフライヤーの独自色はかなり薄まり、最悪は福岡県・北九州市いわさきグループとの内部抗争が勃発しますから、スターフライヤーの長期的発展の為にも鹿児島就航は避けるべきでしょう。
 尤も、スカイマークによる新北九州空港への就航表明は私の予想通り福岡線増便用のブラフでしたから、鹿児島線も北九州線も五十歩百歩なんでしょうね。そういう意味で、スターフライヤーが最も確実に生き残れるソリューションは羽田=福岡線への参入なのですが、これは凡そ麻生渡や末吉興一が堪えられるものではないでしょうね。何の為の新北九州空港なのか分からなくなってしまいます。