気が付けば、この判決から1週間が経ってしまいました。
○米最高裁、P2P企業のGroksterらに著作権侵害の責任追求を認める逆転判決
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/06/28/8171.html
まぁ、何となく予定調和という感じの判決ではありますが、あくまでもこの判決はGroksterやStreamCastに著作権侵害の法的責任を追及できるか否かを判示しただけであり、直ちにGroksterやStreamCastの法的責任が認定されるものではない為、今後の動向に注意する必要があります。とは言え、現実には判決なり和解なりでGroksterやStreamCastが賠償金を支払う事になるんでしょうが。
それにしても、この判決で気になるのは、
両社は,PtoPソフトウエアが違法なファイル・ダウンロードに利用される可能性を認識しながら同ソフトウエアを配布し,著作権侵害行為を助長した。
という米最高裁の分析です。この理論が罷り通るのであれば、銃犯罪の危険性を認識しながら拳銃やライフルを発売している銃器メーカーは何なんだって事になりますし、200馬力も300馬力もある自動車など明らかにスピード違反を惹起するだけ*1ですから当然規制すべきという理論になります。日本であれば、男性に手鏡を販売する事すら法的責任に問われかねません。
要は、技術革新を行っていく業界とそれによって権利の侵害を食う業界とで、どちらの後ろ盾がより政治的に強いかなんです。全米ライフル協会の政治的な強さは言うに及ばず、自動車業界にしても日米共に強力なロビイスト活動が存在します。一方、ファイル交換ソフトには、これといった後ろ盾となる企業が存在しません。少なくとも、政治的な力を有する団体はゼロですから、ロビイスト活動も自然と草の根に頼る事になってしまいます。
別に、私はファイル交換ソフトも音楽・映画業界も応援する気はありません。しかし、両者がお互いに自己の利益のみしか考えず、「よりよいコンテンツを提供する」という本来の目的を忘れるようであれば、アーティストやリスナーにとっては悲しい話です。国内での音楽ソフト売り上げが漸減している背景には、単にCDバブルが崩壊したというだけではなく、利益確保のみに走ってコンテンツ創作をお座なりにした音楽業界の体質があるでしょう。「誰の為のレーベルなのか」という原点に立ち返る事がなければ、CCCDを導入しようとコピーワンスを導入しようと、リスナーにそっぽを向かれ続けたままです。