五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

iPodを執拗に付け狙うシャイロック

 シャイロックじゃなくてジャスラックでしたっけ?

○“iPod課金”見送り――メーカーら含めた新たな検討の場も

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0511/11/news032.html

 取り敢えず、現時点では「iPod課金」が見送られたので一安心ですが、シャイロック、じゃないや、ジャスラックは続々と次なる刺客を送り込んでくる事でしょうから、決して油断はなりません。あくまでも、今回の結論は「継続審議」ですから、来年以降「iPod課金」が本決まりになる危険性は、まだまだ非常に高いのです。
 結局、この手の問題で何が一番マズいのかといえば、権利者団体の対応が後手後手になっているという事です。日本の音楽文化をどう発展させていくかという視点を持つ事なく、単に目先の権利者利益ばかりを保護すべく、場当たりに新たな課金を打ち出しているのですから、消費者どころかメーカーからも反発を食らって当然です。所詮、アーティストとリスナーとの媒介に過ぎない権利者団体が、著作権利益の中間搾取に躍起になっているようでは、日本の音楽文化は何時まで経っても夜明け前です。
 IT技術の進化により、10年前には想像も付かないようなメディアで音楽を楽しめるようになりました。iPodgigabeatに代表されるポータブルオーディオプレーヤーは勿論、パソコンや携帯電話、果てはデジタルカメラに至るまで、現在はあらゆるメディアが音楽媒体になっていると言っても過言ではありません。そんな状況において、増え続けるハードやメディアから逐一私的録音保証金を徴収しようという考え方自体、既に制度限界を迎えているというべきでしょう。シャイロック、じゃないや、ジャスラック(←しつこい)が「iPod課金」を攻略した暁には、必ずや次は携帯電話が課金対象として狙われる事でしょう。将来的には、ウェアラブルPCは勿論の事、デスクトップPCやノートPCなど、通常のパソコンが課金対象として狙われる危険性も、決してゼロではありません。IT業界の技術革新が続く限り、新たなメディアの登場とそれに対する課金の議論は、永久に続いていく事になります。
 ここいらで、そろそろハードやメディアに対する課金という手段を放棄し、コンテンツそのものに対する課金へとパラダイムシフトしていくべきでしょう。そして、徒に著作権の私的利益ばかりが保護されるのではなく、著作権保護が音楽文化そのものを成長させていくような課金モデルというものを、メーカーもレーベルも真剣に検討すべきでしょう。どんなに堅固な著作権保護システムでも、それが人のつくりしものである限り、必ずや破られてしまうという事を、シャイロック、じゃないや、ジャスラック(←もういいよ)は肝に銘じておくべきでしょう。