五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

進入→着陸

 和歌山県上空に差し掛かり、いよいよベルトサインが点灯しました。幸い、ベルトサインが点灯してからオバハン連中がトイレに駆け込むような事態は発生しませんでしたが、その代わりに私は驚くべき光景を目にする事になりました。何と、客室乗務員が機内巡回もしないでそそくさとジャンプシートに着席していたのでした。
 シートベルト着用サインは、乗客に着席及びシートベルト着用を強く促し、以て乗客の安全に資する為のものです。飛行中は常にシートベルトを着用しているのが大前提ですが、それでもなお一部旅客がシートベルトを着用していないかも知れませんから、ベルトサイン点灯時には、客室乗務員が機内を巡回して、全ての旅客がシートベルトを着用している事を確認するのが、全世界的な常識です。更に言うなら、このタイミングでのベルトサイン点灯は、客室乗務員に着陸準備を促すものでもあり、乗客全員のシートベルト着用確認だけでなく、テーブル・フットレストの収納確認やドリンクカートの所定位置セットなどといった全ての着陸準備を整えてから、初めて客室乗務員も着席し、機長に着陸準備完了を伝達するのが、正しいオペレーションです。時折、降下中の乱気流で客室乗務員が死傷する痛ましい航空事故が発生していますが、これはベルトサイン点灯後に再度客室内の安全確認をしなければならないからであり、だからこそベルトサインは機長が思うタイミングよりも早めに点灯させなければならないのです。
 今回の場合、単なるベルトサイン点灯だけでなく、着陸進入開始をも意味しますから、乗客の安全に関わる事だけでも、客室乗務員は以下の事項を確認しなければならなかったはずです。

  1. 全ての乗客が座席に戻っているか?
  2. シートベルトは正しく着用されているか?
  3. テーブル・背もたれ・フットレストカップホルダーなどは全て元の位置に戻されているか?
  4. 全ての電子機器の利用が中止されているか?

 これらの確認が不十分なままだと、着陸失敗による航空事故や、事故発生時の二次災害拡大に繋がってしまいます。乗客の安全だけでなく、乗員自身の安全を確保する為にも、ベルトサイン点灯後の機内巡回は客室乗務員としての常識であり、乗客を顧みずにそそくさと客室乗務員が着席してしまうスターフライヤーは、安全性の観点からも非常識なのです。
 縦しんば、降下時の予想が揺れる為にベルトサインが早めに点灯されたとしても、JALが行っているのと同様、最終進入前にこの程度のPAは実施すべきです。

「機長の指示により、客室乗務員も着席致しております。シートベルトは、お客様ご自身でご確認いただけますよう、お願い致します。」

 これまた、航空会社としては常識の範疇だと思うのですが。



 紀淡海峡上空に差し掛かり、RJBB RWY 06Rへ向けてファイナルアプローチ……と思ったら、何故か淡路島上空に入ってから大きく右旋回しました。これは、明らかにMAYAHから24L/Rに進入するアプローチであり、恐らく飛行中にランウェイチェンジがあったのだと思われます。JALの場合だと、客室乗務員の方がわざわざ私にランウェイチェンジの旨を伝えに来てくれる事もありますが、当然ながらスターフライヤーにそんなサービスはありません。まぁ、これは利便性に関わる事ではないので、別にどうでもいいのですが。
 結局、SFJ21便は定刻から15分以上遅れて、漸く24Rに着陸しました。初めてのB滑走路なので若干嬉しくもありますが、当然ながらA滑走路着陸時よりも地上走行時間は長くなりますから、これでまた遅延の要素が上積みされた事になります。そして、離陸滑走に続いて着陸滑走もダラダラと1,500m近く滑走路を使って実施されます。まぁ、滑走路からの離脱時に使用する誘導路は管制官から指示されますから、運航乗務員だけを責める事は出来ませんが。