五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

いすみ鉄道は地域衰退のツール

 さて、荒川越えを果たしたにも関わらず、いすみ鉄道で感じた違和感の所為でなかなかしっくり来ない日々を過ごしていた私ですが、その違和感の原因がこの記事で分かりました。

○聞かせて・まちづくり:千葉の「いすみ鉄道」社長・鳥塚亮さん

http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20120118ddlk22040076000c.html

 数少ないブロハラ読者諸兄にはスタフラ名物補助金商法を房総半島に導入した事でお馴染みの鳥塚亮社長ですが、毎日新聞のインタビューではこんな開き直りを見せています。

 ローカル線を「公共交通機関」と考えてはいけません。交通機関として比べたら、バスの方が断然、低コストなのですから。むしろ、鉄道を地域活性化のツール(道具)として使ったらどうでしょう。ローカル線が走る風景は都会の人が憧れる古里の原風景。住民の思いが詰まった駅舎や自然豊かな沿線風景を胸を張ってPRすれば、多くの人が列車に乗りに訪れるようになると思います。

 ああ、無理だ(;´Д`)
 そりゃあ、無理だ(;´Д`)
 何故無理なのかと言えば、世間一般に第三セクター鉄道は「その公共性故に地元自治体からの出資や補助で維持運営されている」と認識されているからです。勿論、いすみ鉄道もそうした第三セクター鉄道の1つだと私は認識していたのですが、流石は補助金商法に長けた鳥塚亮社長、そうした認識をあっさりと否定してくれました。最初から公共性をかなぐり捨てているのであれば、ここ数年の極端な鉄ヲタ志向も説明できます。
 最近めっきり更新頻度の落ちているブロハラですが、いすみ鉄道の剰りの酷さに、私は昨年も記事を書いているくらいです。そして、実際に乗ってみて鳥塚亮社長がいすみ鉄道鉄ヲタホイホイにしようとしている事を実感してきた矢先に、またこんなインタビュー記事です。いよいよ、いすみ鉄道に公費を投入する正当性は完全に阻却されたと言ってよいでしょう。
 鳥塚亮社長は言います。「駅までは私たちが客を連れてくる。その後のもてなしを地元で考えてほしい。」と。しかし、鉄ヲタホイホイに引っ掛かる程度の客なんか、どうせ駅の外でゼニを落とす事はないんです。片道運賃よりも安いような企画乗車券でキハ52を見物し、観光なんかろくにしないで帰って行くのが、最近増えていると言われるいすみ鉄道の典型的な乗客像なのです。
 鳥塚亮社長が鉄ヲタ視線から離れない限り、いすみ鉄道はどんどん地元から乖離していきます。鉄ヲタだけが乗るような鉄道では、地元経済にとってはよくて無害、下手すればマナーの悪い一部鉄ヲタによって損害だけが発生していきます。そして、いすみ鉄道は名実ともに鉄ヲタ鉄ヲタによる鉄ヲタの為の鉄道となり、出資金や補助金を吸い取られた地元自治体はどんどん疲弊し衰退していくのです。
 まぁ、鳥塚亮社長が「日本における保存鉄道のロールモデル」を目指しているのであれば、私は敢えて否定しません。しかし、それならそれで地元自治体の支援を得られなくなっても経営を存続できる体制を今から用意しておくべきであり、いざ地元自治体の財源が潰えた時に「金の切れ目が縁の切れ目」とばかりに房総半島から逃げ出すようでは、本場イギリスの保存鉄道を支えているノーブレス・オブリージュの精神に悖るというものです。それとも、鳥塚亮社長が目指しているのは保存鉄道ではなく補助金商法のロールモデルなんでしょうかね。