今のところ、3回目の凍結は来ていません(;´∀`)
こんなマクラで始めるブログも如何なものかと思いますが、取り敢えず長崎新幹線について思う所があったので、こっちに書く事にしました。
外部リンクを記事内で紹介する際にどういうフォーマットにすればいいのかは、今のところ試行錯誤中です。はてなダイアリー時代も、色々と試行錯誤してあのレイアウトに落ち着いたので、もう暫くは色々なパターンが出てくる事になるかと思います。
閑話休題、長崎新幹線の新鳥栖=武雄温泉については、全線フル規格化が絶望的となっている以上、整備方式は以下の三択にならざるを得なくなっています。
直近のタイムラインで、この内のミニ新幹線化を単線並列方式により政治的に実現すべきとの指摘がありましたので、これをステークホルダーが了承する条件について考えてみます。
先ずは、国土交通省や長崎県といった全線フル規格推進派の行政機関についてですが、これは単純にミニ新幹線化で諦めてもらうしかありません。佐賀県を説得する事に失敗した以上、代替方式での整備は不可避ですし、それは政治的に完遂させる責任が生じます。幸い、武雄温泉=長崎で建設中の新線はそのまま使える訳ですから、ここで手戻りが発生する事もありません。勿論、新鳥栖=武雄温泉の改軌費用を誰が負担するのかという問題も生じますが、佐賀県が一切の財政負担に応じない以上、整備新幹線とは別のスキームで国土交通省や長崎県が負担する必要があるでしょう。
次に、運行事業者であるJR九州ですが、ミニ新幹線化によって生じる具体的なコストは、ミニ新幹線用の車両を新規に開発する費用(フル規格ならN700系をそのまま流用できる)や、改軌工事に伴う輸送力減少による営業収入減です。車両開発についてはE6系をノックダウン生産できればかなり手間は省けますが、山陽新幹線への直通を想定するなら、N700系側にも併結運転対応工事が必要になります。そして、営業収入減は国土交通省や長崎県による損失補填でカバーする事になるでしょう。西鉄高速バスに代替輸送を依頼するなら、その費用(車両や乗務員の確保)も損失補填の対象になります。
そして、山陽新幹線への直通を前提とするなら、JR西日本もステークホルダーとなります。JR西日本がミニ新幹線用車両の共同開発に応じてくれれば、JR九州や行政の負担も大幅に軽減されますが、残念ながらJR西日本にはそのインセンティブはありません。というのも、伯備線や瀬戸大橋線でミニ新幹線を導入する見込みがない(両線とも定期貨物列車が存在するので簡単に改軌工事できない)以上、新型車両は事実上長崎新幹線専用となり、他で活用できないからです。恐らく、JR西日本としては「長崎新幹線をミニ新幹線にするのは勝手だが、ウチは車両開発には協力しない」という結論になるでしょう。場合によっては、山陽新幹線への乗り入れすら拒否する可能性もありますが、本数を限定した単独乗り入れであればギリギリ政治力でゴリ押しできるでしょう。
ここまでやって、漸く佐賀県を説得する段に至りますが、実は当の佐賀県がこんな事を言っています。
この発言は、あくまでも事務方からのものですから、理事者レベルでミニ新幹線化を正式に決定すれば簡単に覆せる性質のものではあります。しかし、ミニ新幹線化に係る佐賀県の財政負担を全額免除した所で、抑も山口祥義知事が長崎新幹線の整備に反対する理由は財政問題ではない訳で、暫定開業により博多=長崎のメインルートから外れる事になる肥前鹿島を含め、佐賀県の全域で特急列車の利便性が現状から後退しない事が保証されない限り、佐賀県がミニ新幹線化に合意する事はありません。
となると、新鳥栖=武雄温泉をミニ新幹線化するのであれば、同時に肥前山口=肥前鹿島も改軌して、博多発着のミニ新幹線を高頻度で運行する必要があるでしょう。ここまでの工事を佐賀県の負担ゼロで実施する事で、初めて山口祥義知事が交渉のテーブルに着く事になります。果たして、JR九州にとって採算に見合う事業なのかは不明ですが、そこを押し通す事もまた政治力なのかも知れません。