五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

スーパー特便割引28・旅割の導入に見るバーゲン型運賃の終焉

 本日の最後は、前々から噂になっていた運賃の話です。

JALグループ、新運賃「スーパー特便割引28」を導入!

○国内線全路線に、新運賃「旅割」登場!

http://www.ana.co.jp/pr/06-0103/06-016.html

 昨年末の予想ではゴールデンウィークにあっさりとブラックアウトするものだと思っていましたが、意外にも4月中は毎日設定です。まぁ、今年の場合は4月29日が土曜日という最悪の曜日配列ですから、5月に入ってから本格的な動きがあるのかも知れませんね。取り敢えず、運賃導入後最初のハッピーマンデーである海の日3連休については、ANAの動きには警戒した方がいいですね。
 それにしても、私が吃驚したのは双方の運賃です。ANAの場合、旅割の導入と引き替えにバースデー早割を廃止していますから、早割21よりも安くなるというのは納得です。しかし、超割とほぼ同等の水準にまで引き下げた戦略的な運賃になるというのは、私にとっては想定外でした。しかも、みどりの日前後も路線によってはオフシーズンと同額の運賃になるというのですから、どうやら本当に最ピーク期以外は通年設定される事になりそうです。
 一方、JALの方はANAと足並みを揃える形でのスーパー特便割引28導入となったのですが、やはり運賃設定はANAと同様の驚異的な水準です。しかも、こちらはバースデー割引を存続させてのこの運賃なのですから、実に太っ腹です。バースデー割引の存続といいバーゲンフェアの毎月10日間設定維持といい、JALの弱気が見事に運賃戦略に出てきた形です。
 こうなると、俄然問題となってくるのが、超割やバーゲンフェア、或いはJALバースデー割引といったバーゲン型運賃の去就です。現時点でこれらの運賃が優位に立ち得ているのは、

  1. 同一路線であれば全便同一運賃
  2. 当日空席があれば前便に振り替え可能
  3. 先行受付による予約の事前確保
  4. 2ヶ月以上前の発売開始によるクラスJの確保

 といった部分のみです。私にとっては、これらの優位性はかなり重要なものですが、一般的には決して大きなメリットではないでしょう。それよりも、通年設定・通年利用可能といったメリットの方が、ライトユーザーにとってはより分かり易いものとなります。とあれば、ここで真に危惧すべきは、2006年度下期運賃でバーゲンフェアも超割も廃止されるという危険性です。JALについては、バースデー割引も同時に廃止される危険性すらあります。恐らく、これこそがJAL・ANAの目論む落とし所でしょう。
 幾ら旅割の運賃が超割と同等或いはそれ以下といっても、そこには便指定という縛りが付きますし、真に超割を下回る運賃は土曜夕方や日曜午前などの旅行には使いにくい便ばかりです。コアタイムで見る限り、運賃は明らかに旅割>超割なのであり、その超割ですら昨年度の運賃水準から見れば値上げされているのです。燃油価格高騰によるしわ寄せは、こんな形で最終的には利用者負担となるのです。まぁ、本当は今までの航空運賃が異常なまでに安過ぎたという事なのかも知れませんが、スカイマークのような格安運賃の航空会社も出てきている事ですし、少しは大手航空会社もバーゲン型運賃の存続に向けて何等かの努力をして欲しいものです。