五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

5分遅れ

 今朝、新宿駅西口地下の連絡改札に、何故か人集りが出来ていました。何事かと思って人集りの中に突っ込んでみると、そこでは遅延証明書を配付していました。なるほど、時計を見ると確かに定刻よりは4分か5分ほど遅れているような気もするのですが、どうせ小田急は慢性的に遅延しているのですから、乗客としてはこのくらいの遅延など気にしない方が精神衛生上よろしいかと。
 一応、私も遅延証明書を入手してみましたが、案の定入鋏されていた遅延時分はたったの5分でした。まぁ、「5分」という入鋏欄があるという事は、「たったの5分」程度の遅延でもちゃんと遅延証明書を発行する運用になっているのですから、5分遅れの遅延証明書というのはある意味「正解」ではあります。しかし、遅延証明書の印刷や入鋏のコストだってタダではないんですし、はっきり言って5分程度での遅延証明書なんて紙資源の無駄遣いのような気がするんですけどね。「鉄道業界のスターフライヤーなる異名を取る小田急であれば、遅延証明書の発行は15分以上の遅れからでもいいでしょう。或いは、「5分以上の遅れは15分遅れとして入鋏する」という運用にしてくれてもいいですけどね(;´∀`)



 今日で、あのJR福知山線脱線事故から丸1年が経過しました。JR西日本が「ゆとりダイヤ」を導入し、ATS-Swの設置も進みつつありますが、乗客における定時運行への厳格な要求は相変わらずのようです。5分遅れでも遅延証明書を発行する運用があるという事は、逆に言えば5分遅れ程度でも遅延証明書の発行を要求する乗客がいるという事であり、如何に日本人が鉄道の遅延に神経質であるかがよく解るというものです。この精神構造が変わらない限り、第二・第三の高見隆二郎が出てくる危険性は決して軽減されないのです。
 小田急のホームページでは、朝ラッシュ時の上り電車について、1分以上の遅延が発生したか否かを毎日報告しています。遅延証明書が発行される5分以上の遅れならまだしも、1分以上の遅れを全てカウントし報告するとなると、神経質を通り越して最早パラノイアの域です。プレスリリースや社内報など、「分かっている人」向けに報告するならまだしも、大多数の乗客は1分単位の遅延情報まで欲する事などないでしょう。小田急は日本でも屈指の過密ダイヤとして知られていますが、こうした鉄道会社及び乗客のパラノイアが解消されない限り、何時運転ミスによる死傷事故が発生してもおかしくはないのです。
 JR福知山線脱線事故から1周年の今日だからこそ、少しは「安全運転の限界」というものを考えてもいいのかも知れませんね。