五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

ANAが2006年度上期運賃を発表

 スターフライヤーが運賃を発表した一方で、ANAやJALも2006年度上期運賃を発表してきました。

○2006年度上期(4月〜9月)の国内線運賃について

JALグループ、2006年度上期の国内線旅客運賃を届出

http://www.jal.com/ja/press/0000395/395.html

 予てから公表されていた通り、普通運賃が燃油価格の高騰を受けて値上げされているのですが、それと同時に厭な情報も公表されてしまいました。それは、早割21・バースデー早割の廃止及び超割の設定期間縮小です。現時点では、JALは割引運賃の詳細について公表していませんが、恐らくANAに追随して前売り21・バースデー割引の廃止及びバーゲンフェアの設定期間縮小に踏み切る事でしょう。バースデー割引やバーゲンフェアには散々お世話になっているだけに、今回の「改悪」は残念でなりません。まぁ、JALやANAの株主にとっては「改正」なんでしょうけどね。



 さて、今回の運賃改定では、バースデー早割の廃止や超割の設定期間縮小ばかりに目がいってしまいそうですが、それと同時に重要な変革が起こっています。それは、

  • 割引運賃の当日前便振替中止
  • 準ピーク期における割引運賃の縮小

 というものです。現在、早割21もバースデー早割も、当日前便に空席があれば、空港にて前便に振り替える事が可能です。これは、JALの前売り21やバースデー割引も同様の運用ですが、これらの運賃が特割28或いは特便割引28*1になる事によって、当日前便振替の取り扱いは当然に廃止される事でしょう。早期購入割引が路線に対する価格設定であるのに対して、特定便割引は便に対する割引だからです。つまり、乗客側の制約が予約期限から搭乗便にシフトするという事であり、当日前便振替など認められるはずもありません。逆に言えば、不便な時間帯の便しか搭乗できないからこそ、特定便割引は安いのです。JAL1322便(大阪関西→東京羽田)が、その典型例でしょう。
 ここで、早割21もバースデー割引も廃止されるとなると、予約変更不可運賃で当日前便振替が可能なのは超割だけ*2になってしまいます。そうなれば、「運賃メニューの簡素化」という大義名分の元、超割の当日前便振替も中止され、予約変更不可運賃は一切他便への搭乗は不可というルールが確立される事でしょう。現時点では、超割の当日前便振替について何等発表はなされていませんが、近い内にこの取り扱いが中止される事は必定と見てよさそうです。当然、JALも同様にバーゲンフェアの当日前便振替を中止する事でしょうから、

  • 土曜日の夕方便を確保しておいて当日朝一でキャンセル待ち
  • 日曜日の最終便普通席を確保しておいてクラスJの多面待ち

 なんて事も出来なくなるんですね。ある意味、割引運賃の理に適っているとはいえ、消費者にとって不便になる事に変わりはありません。
 もう1つ、特割28の設定期間についても、十分な注意が必要です。現在、早割21や特割7などの割引運賃は、最ピーク期だけでなく、準ピーク期やハッピーマンデーなどでも簡単にブラックアウトしてしまいますが、バースデー早割に限っては、準ピーク期どころかゴールデンウィークでさえ利用可能です。しかし、バースデー早割が特割28に統合されてしまえば、ブラックアウト期間はより制約の大きい早割21に片寄せされる事でしょうから、ゴールデンウィークどころかハッピーマンデーですら特割28が使えなくなる危険性が大なのです。これまた、JALが追随する事はほぼ確定ですから、毎年海の日3連休で沖縄に出掛けている私にとっては、このブラックアウト期間増大は致命傷とも言うべきダメージです。
 結局、「運賃メニューの簡素化」というのは、書き入れ時における客単価の大幅な釣り上げに過ぎないのです。勿論、バースデー早割そのものが不公平な運賃制度だとする向きがあるのも重々承知ですが、その「是正措置」が実質的な運賃倍増だというのであれば、剰りにも悲しい話です。来年からは、海の日3連休で行けるのは大阪か福岡だけになりそうな悪寒がします。

*1:ストレートに追随すれば、JALの運賃名もこうなるでしょうね。

*2:厳密に言えば、シニア65割引もここに含まれる事になるんでしょうが。いっしょにマイル割? 廃止ですよ、廃止orz