五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

成田空港暫定滑走路の北側延伸が正式決定

 「北側が北側への延伸を許可」は使い古されたダジャレですね。

○成田空港、北延伸に許可 ようやく計画通りの滑走路実現

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○成田空港、北に延伸 15日着工へ

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 まぁ、計画通りなのは滑走路長だけで、相変わらず不完全な国際空港である事に代わりはありません。更に言うなら、平行滑走路が2,500mで事足りるとする事自体が大きな誤りで、成田空港を最大限活用しようとするなら、4,000m×2の滑走路が必要である事は言うまでもありません。離陸重量を絞れば、B787A380もこの平行滑走路を利用できるのでしょうが、今後もこの滑走路を「日本の玄関」としなければならないとは、何とも心許ない話です。
 今から思うに、成田空港建設における最大の過ちは、三里塚に建設地を求めた事でも地元との話し合いが不十分だった事でもなく、暴力による反対運動をきちんと鎮圧しなかった事です。何処かの島田紳助司会者ではありませんが、やはり先に手を上げた方の負けなのであって、ナリバンが暴力に訴えた時点で、その正当性は全て棄却されたと判断すべきなのです。こんな時に強制力を発揮しなくて、何の為の国家権力なのか、甚だ理解不能です。
 小田急高架化にしろ外環道にしろ、反対派が徹底していたのは「決して目に見える暴力的手段に訴えない」という事です。反対運動に有利となる法的事実を地道に収集し、藤山雅行のようなブサヨク裁判官を狙い撃ちする事により、これらの反対運動は一定の「成果」を残してきたのです。しかし、ナリバンは管制塔打ち壊しという大チョンボを犯し、国家権力に付け入られる隙を自ら作ってしまいました。ところが、この隙に乗じてナリバンを完全殲滅しなかったが故、今日までその残党をのさばらせてしまい、成田空港が国際的な空港競争で置き去りにされる原因ともなってしまったのです。
 一応、「ナリバンの高齢化による自然消滅」という形で、済し崩し的に成田空港を拡張する事も、決して不可能ではありません。しかし、悠長にナリバン自然消滅を待ち構えている間に、国際航空における「ジャパン・パッシング」は着々と進行していきます。今でこそ、ターミナル需要の多さで引く手数多となっている成田空港ですが、日本の少子高齢化VTICs*1の台頭により、今後少なからず成田空港の国際的地位は低下していきます。その時代を見越した空港計画が今から求められているのですが、残念ながら国土交通省にはそこまでの危機感はないようですね。
 取り敢えず、真に成田空港を「日本の玄関」と据える為には、ナリバンに対する土地収用法の適用再開が必要不可欠でしょう。千葉県収用委員会が三里塚タブーから解放され、「無法者は法によって駆逐される」という法の正義が実現される事により、初めて日本の航空行政がまともな軌道に乗るというものです。成田空港がしっかりしてくれれば、関西国際空港中部国際空港も、千鳥足の国策に翻弄される事なく、自分の色を決められるのですから。

*1:Vietnam・Thailand・India・Chinaの頭文字を取った造語です。日本にとっては、BRICsよりもこちらの方がより現実味のある話でしょうね。