五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

日産自動車が鼠国・鼠海から撤退

 これも、時代を感じさせるニュースです。

○日産、“ディズニー”スポンサー撤退 トヨタ・ホンダ後継争い

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/18974/

 このご時世、未だに鼠国や鼠海を「夢の空間」などと有り難がったり、そこでのスポンサー料に1億円以上払ったりする感覚が、どうにもこうにも私には理解できません。しかし、これらの見直しが発生してこなかったという事は、それだけ鼠国や鼠海が「夢の空間」として認知されているという事であり、企業にとっても1億円以上の広告効果があるという事でもあります。そんな中、日産自動車が公式スポンサー撤退に追い込まれたという事は、余程日産自動車がジリ貧に追い込まれているという事なんでしょうね。
 思うに、カルロス・ゴーン社長の就任以来、日産自動車は「企業として」は立ち直ったかも知れませんが、「クルマ屋として」は明らかに迷走しています。最近だと、まともにクルマとして評価できるのはティーダくらいのもので、それ以外は見事なまでに駄作車のオンパレードです。勿論、傑作車が市場に受け入れられるとは限られず、一方で駄作車が大ヒットする事も十分にあり得ますが、だからといって駄作車ばかり造っていては、クルマ屋としての屋台骨を確実に損傷します。現在の日産自動車は、屋台骨が椎間板ヘルニアを起こしているようなもので、主要株主として出資しているスターフライヤーと同じく、ハッタリだけで生き残っている状態なのです。
 その昔、日産自動車は「技術の日産」というキャッチコピーを持っていました。しかし、ゴーン文革によって技術の切り売りが進展し、帳簿上の業績回復と引き替えに、日産自動車の技術力は大きく失われました。そんな状態で日産自動車が持ち出してきたのが、セレナのキャッチコピー「モノより思い出」です。今から思えば、ここが日産自動車における最大のターニングポイントで、ものづくりを生業とする企業が「技術」よりも「思い出」を売りとした時点で、その企業の頭上には死兆星が輝くのです。
 「モノより思い出」という、製造業としての敗北宣言に踏み切った日産自動車ですが、やっている事はあべこべでした。イメージ戦略を重視するなら、何をおいても先ずはメディアに露出する事なのですが、実際にやった事はといえば、料理の鉄人」の打ち切り→「サプライズ」なる学芸会番組への移行という、却って日産自動車のイメージを地に貶めるものでした。一方で、「モノより思い出」というキャッチコピーから何としても取るべきだったドラマ「QUIZ」のスポンサー枠はトヨタ自動車に持って行かれるという大チョンボで、今日に至るまで日産自動車がミニバンで存在感を示せない原因にも繋がっています。
 そこへ来て、今回の鼠国・鼠海からの撤退なんですから、いよいよ日産自動車は「技術はダメ・イメージも希薄」という最悪の状態に陥りつつあります。まさか、スターフライヤーの宣伝下手が株主企業に伝染したという事ではないと思いますが、今後日産自動車が一掃ジリ貧に陥っていくであろう事は、想像に難くありません。もし、この数年間のジリ貧路線が総てカルロス・ゴーンマッチポンプなのだとすれば、その知謀は麻生渡や末吉興一に匹敵するものなんでしょうけどね。