先行きに対する危機感は、西松遥社長自身も強く抱いているようです。
○本業で利益出す体質へ 日航が事業改革の概要
http://symy.jp/?xr3(ウェブ魚拓+ウェブ精米)
今回の黒字決算が燃油サーチャージや保有株売却といった「外道」によって成されたものであるからこそ、「本業回帰」への思いはより一層強いのでしょう。事業再構築と利益確保とを同時に実行するのは非常に困難でしょうが、ここでステークホルダーに見放されるような事があれば、それは即ちJALのパンナム化を意味します。JALが最終的に頼れる収益源はあくまでも航空業なのですから、将来に渡って「魅力あるJAL」でいられるよう、西松社長には頑張って欲しいものです。
そんな西松社長は、こんな事を記者会見で発表しました。
国内線、国際線を問わずに不採算路線から追加撤退するほか、整備費の軽減や余剰人員の削減策などが盛り込まれる。詳細は、来年2月6日に発表する中期経営計画で示す。
これは即ち、既報の撤退路線以外にも更なる撤退路線が発生するという事です。来年2月に発表という事は、場合によっては来年3月を以て撤退するという事です。
そういった視点で、中間決算と同時に発表された9月までの輸送実績を見てみましょう。
○JAL Group Monthly Report 2006年10月号
http://www.jal.com/ja/press/0000740/740.html
ここで、9月度及び上半期の羽田発着路線ワースト3を見てみると……
- 2006年9月 搭乗率ワースト3
- 東京羽田=南紀白浜 41.9%
- 東京羽田=北九州 48.8%
- 東京羽田=山形 51.0%
- 2006年度上半期 搭乗率ワースト3
- 東京羽田=山形 42.8%
- 東京羽田=南紀白浜 46.7%
- 東京羽田=北九州 51.9%
北九州m9(^Д^)プギャー
折角の新北九州空港開港も何のその、北九州市や日産自動車に裏切られた結果、南紀白浜線や山形線といった特殊ルーラル線と肩を並べるまでの不採算路線に落魄れてしまいました。こうなると、来年3月に撤退する国内線は東京羽田=北九州だと考えるのが最も妥当な所でしょうね。勿論、たった1往復で風前の灯となった名古屋小牧=北九州線も同じ運命を辿る事になるのですが。