五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

ギャラクシーエアラインズが遂に廃業

 一方、こちらの案件はこんなオチになりました。

○国内定期航空運送事業廃止に関するお知らせ

○佐川急便が貨物航空事業から撤退へ、燃油高騰などで

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080805-OYT1T00555.htm

 m9(^Д^)プギャーッ
 まぁ、ギャラクシーエアラインズの窮状を踏まえるに、早い段階で店仕舞いするのは懸命な判断でしょう。30億円からの損切りは確かに傷手ですが、今のSGホールディングスの体力ならば、まだこのダメージを吸収できます。この点が、僅か数億円の資金集めすらままならないスターフライヤーとの差異なのでしょう。
 ギャラクシーエアラインズが失敗に終わった原因として、燃油価格が暴騰した事やグループ外からの集荷に苦労した事などが挙げられていますが、最も大きな原因は、[以前]にも書いた通り、幹線においてB747-400DB777が当たり前のように就航している日本においては、国内貨物はベリー輸送だけで事足りてしまうからでしょう。「翌日午前中必着」などという特殊な需要でもない限り、国内航空貨物は始発や最終の旅客便で輸送できれば十分なのであり、貨物便を成立させるだけの航空貨物需要は、まだ日本では成熟していなかったのです。その需要を見誤り、剰え昼間に機材を遊休化させているようでは、ギャラクシーエアラインズ日本ユニバーサル航空オレンジカーゴの前轍を踏むのも当然です。そういう意味で、ギャラクシーエアラインズは潰れるべくして潰れたというべきでしょう。



 それにしても、今回の事業廃止において意外だったのは、福岡県や北九州市が何等ギャラクシーエアラインズを救済しようとしなかった事です。スターフライヤーには、県・市合わせて18億円もの補助金を積んでいるのですから、ギャラクシーエアラインズの負債全額とまでは行かなくても、半額かそれ以上は補助金などで肩代わりする事が可能だったはずです。仮に、21億円という債務超過の内、11億円程度でも補助金によって損失補填されるのであれば、まだSGホールディングスも事業継続を検討する余地があったでしょうが、地元自治体からの支援が得られないという事であれば、SGホールディングスもその他株主も、再建よりも廃業を選ぶのは当然でしょう。
 何れにしても、ギャラクシーエアラインズの廃業により、新北九州空港は「西部日本の物流拠点」というアイデンティティを否定された事になります。既に、スターフライヤーの早朝・深夜便は減便に追い込まれ、中国南方航空も運休期間をズルズルと引き延ばして事実上の撤退です。要するに、新北九州空港

  • 24時間運用の都市型空港
  • 西部日本の玄関口となる国際空港
  • 西部日本の物流拠点となる貨物空港

 という3つのコンセプトが全て破綻したのであり、現状を踏まえるに、新北九州空港は近年稀に見る失敗プロジェクトであると言わざるを得ません。新福岡空港批判において頻りに引き合いに出される新北九州空港ですが、先ずは新北九州空港自体の看過し得ない失政ぶりについて、福岡県民や北九州市民のみならず日本国民全員が反省・総括すべきでしょう。