五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

スターフライヤーの先行き不安なご祝儀相場

 こちらは、航空会社として「新人」ですね。

○3月16日就航後の搭乗実績について

スターフライヤー、早朝・深夜を除く3月搭乗率は8割

スターフライヤー3月搭乗率74.1%〜目標60%強を大幅に超える

○3月の利用率74%と好調 新規参入のスターフライヤー

http://www.asahi.com/business/update/0406/153.html

 この数字、一見好調であるかのように思えますが、ご祝儀相場としては何とも心許ない数字であるという事は、以前新北九州空港全体での数字を出した時にも触れました。新空港&新規航空会社&春休みのピーク期というご祝儀相場のジェットストリームアタックに与っておきながら、昼間便の搭乗率で何とか80%超えだというのですから、来月以降が甚だ心配です。
 「目標60%」なんていうのは、4月や12月といった閑散期を含んでの話なんですから、こんな書き入れ時*1に通年目標を上回った所で、自慢にも何にもなりません。まぁ、北九州発早朝便のSFJ70便で89.1%ものロードファクターを叩き出したのはしてやったりという事なんでしょうが、一方でそれ以外の早朝・深夜便は軒並み討ち死に状態です。早い所、早朝・深夜便のユニットレベニューを確保する為にも、スターフライヤーは貨物輸送事業に乗り出した方がいいですね。それが出来ないというのなら、貨物輸送事業参入の目処が立つまで早朝・深夜便を運休するのが身の為です。
 今回のプレスリリースで、北九州インバウンドの早朝・深夜便が大きなウィークポイントである事が露呈しました。それもそのはず、公共交通機関でアクセスする人が多い羽田空港においては、6時前だの23時以降だのといった時間帯の便など、地上交通機関の制約が大き過ぎて使い物になりません。しかも、JALANAの東京=福岡線は、羽田発6:30/羽田着23:00までありますから、余程特殊な需要でもない限り、スターフライヤー深夜便の存在価値は殆どないのが現状です。スターフライヤーそのものの認知度が低い首都圏においては、なおさらスターフライヤー深夜便は利用されにくい存在になってしまうのです。
 幾ら深夜・早朝と雖も、航空機を運航するのは決してタダではありません。SFJ90便・92便で26.8%、SFJ71便で40.1%という数字を叩き付けられてしまったのですから、ここは大人しく北九州インバウンドの早朝・深夜便からは撤退した方がいいでしょう。取り敢えず、羽田空港でナイトステイするSFJ92便→SFJ71便は即時運休に踏み切り、SFJ93便のユニットレベニュー次第ではSFJ90便→SFJ93便という深夜の東京往復便も運休すべきです。リスクヘッジの観点からは、羽田空港に機材や乗務員を夜間留め置かないという経営判断には些か問題があるかも知れませんが、ご祝儀相場において50%も確保できないロードファクターを目の前にしては、羽田空港の夜間駐機費用の方が明確なリスクです。ここは、堀高明社長に勇気ある撤退を促したいものです。
 因みに、バナナマン日村勇紀もマジ切れしたスターフライヤーの遅延体質ですが、今回のプレスリリースにより、改めて定時性のなさが浮き彫りになりました。東京→北九州便の定時出発率が84.6%、北九州→東京便の定時出発率に至っては71.9%と、「一降り10分」の小田急もビックリの遅れっぷりです。しかも、これはあくまでも出発時刻のみでの統計ですから、15分以上到着が遅延した便を含めれば、スターフライヤーの定時運航率は惨憺たるものになります。あの神戸空港でさえ、定時運航率は90%を確保したのですから、全然お話になっていません。ホント、神戸空港の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいくらいですね。
 なお、4月に入ってからも、スターフライヤー運航便は双方向ともたまに遅れ便が発生しています。航空機の運航時刻に分単位の正確さを求めるような人はいない事でしょうが、精神衛生上、30分程度の遅れは日常茶飯事だと思っておいた方がいいでしょう。遅れて当然、定刻ならラッキー。そのくらい鷹揚でなければ、航空機になんて乗れません。まぁ、それでもスターフライヤーの遅れ方はやはり異常ですけどね。
 何はなくとも遅延発生。それが、スタフラクオリティ。

*1:よく「掻き入れ時」だと勘違いしている人がいるようですが、これは誤字です。どうして「書き入れ時」なのかは、各自語源を調べてみましょう。ヒントは番頭です。