五月原清隆のブログハラスメント

これからは、セクハラでもない。パワハラでもない。ブロハラです。

エクスプレス予約グリーンプログラムの地味な改悪

 さて、年末年始でこのプレスリリースに触れている記事を見掛けなかったので、私が触れておく事にします。

○【お知らせ】グリーンプログラムサービス一部変更について

http://expy.jp/member/topics/detail.php?id=64

 今回の変更ポイントは、以下の2つです。

  1. ポイントの有効期限を4ヶ月延長
  2. 蓄積ポイントの10ポイント減額
    • 特定特急料金設定区間は20ポイント減額

 従来は最短2ヶ月で失効していたポイントが最短6ヶ月まで引き延ばせるようになったのは改善なんでしょうが、蓄積ポイントが一律減額されてしまったのはかなり痛い所です。特に、東海道・山陽新幹線は毎月1往復以上利用する人が多いだけに、「東京=新大阪を5往復すれば片道アップグレード」という単純計算が通用しなくなるのは、多頻度顧客にとって純粋に改悪となる事でしょう。今回のグリーンプログラム改悪といいEX-ICサービスでの特定都区市内運賃制度適用除外といい、またぞろJR東海が殿様商売に回帰しているような気がしてなりません。



 とはいえ、JR東海もバカではありませんから、何の勝算もなくして航空会社のFFPに相当するグリーンプログラムを改悪する事はないでしょう。恐らくは、JALANAマイレージプログラム改変を横目に見ての制度変更であるものと思われます。今年から、JALANAも上級会員資格認定基準から搭乗回数を除外*1しましたから、新幹線競合路線を数多く搭乗する上級会員にとっては、上級会員資格の維持*2が困難になります。そこに注目して、「このくらいならサービスを切り下げても大丈夫」というのが、今回の改悪における10ポイント減額なのでしょう。ポイントの有効期限が延長されたのも、JALANAともにマイレージの有効期限を延長したのと同期を取ったと見れば、合点が行きます。
 こうなると、頑張るべきはスカイマークスターフライヤーといった新規航空会社なのですが、スカイマークは羽田=神戸線を増便する目処が立たず、スターフライヤーに至っては関空線の増便どころか撤退の可能性すらあります。両社とも十分な機材や羽田発着枠を確保していないのが根本的な原因なのですが、ここ10年で航空会社のシェア拡大が新幹線のサービス改善に及ぼした影響を考えると、このまま短中距離で航空会社が衰退していけば、そのまま新幹線のサービス後退に繋がり兼ねません。2010年の羽田再拡張を待つ猶予もありませんから、ここはやはりJALANAの低ロードファクター・低イールド路線から発着枠を取り上げて新規航空会社に再配分すべきです。その際、新規航空会社自身においても低イールド路線を断固パージする気概が必要不可欠なのは、言うまでもありません。
 取り敢えず、スターフライヤー北九州空港に見切りを付けられるかどうかが、今後の東海道新幹線を左右すると言えます。羽田=北九州線を必要最低限の便数に抑えて、羽田=関空線で10便以上確保できるようであれば、少しはJALANA・SKYに次ぐ第四の勢力としてJR東海も相手にしてくれる事でしょう。それが出来なければ、スターフライヤー新北九州空港もろとも沈没する事になります。尤も、2007年度下期に赤字決算を出した日には、出資者や債権者が挙って損切りに走る事になりますけどね。

*1:JALの場合、JMBクリスタル及びJMBサファイアについては従来の回数基準も継続設定されますが、既にJALにおける「上級会員」の定義はJGPJGCプレミア)以上になっていますから、単純な搭乗回数だけでは優遇されなくなるという点においては、ANAと同等であると言えます。

*2:JALグローバルクラブJGC)やANAスーパーフライヤーズクラブ(SFC)は半永久資格ですが、既に両社とも平会員の扱いをかなり下げているので、JALならJGPANAならPLTくらいは毎年維持しないと上級会員の有難味を実感できません。